ジプシーワゴンみたいな小さな隠れ家、「the Gypsy Junker」

ステンドグラスを通して入ってくる木漏れ日が、小さな空間を暖かくしてくれる。 ふと天井を見上げると、積もった枯れ葉の隙間からも陽の光が射している。そんな静けさのなか読みかけの本を置くと、あちこちから鳥のさえずりが聞こえてくるようだ。
マサチューセッツ州に住むDereck Diedricksenさんの作った「the Gypsy Junker」は、自然の中でくつろぐための、小さな小さな「ミクロ建築」だ。

The Gypsy Junker03

ボストンの元ラジオ局のDJだったDereckさんは、オリジナルのコンセプトである「ミクロ建築」に則った小さな建物を多く建築している。「ミクロ建築」で建てられるものはその名の通り、ミクロ=小さいものばかりだ。

彼の言う「コンパクトな住まい方」は、最近のアメリカのトレンドでもあるタイニーハウスに似ている。よくあるアメリカの大きな家は無駄な空間が多いので、小さな空間でも快適に過ごせるようにという思いが、彼の作るミクロな建物によく反映されている。

The Gypsy Junker02

Dereckさんの建築した建物の一つであるthe Gypsy Junkerは、広さがなんと約3 ㎡とコンパクトな上に、何と全てリサイクル品で作られている。Dereckさん曰く、the Gypsy Junkerと名付けたのは、ジプシーの乗るワゴンに形が似ているから。Junkerと呼ばれる所以はリサイクル品で建てられたためだそう。

しかしながら、「リサイクル品で建てられた建物だからガラクタの寄せ集め」というのではなく、より良い建物になるように計算されて建てられた正真正銘のアップサイクル。それに、建物内にはヴィンテージのガラス瓶や手編みのブランケット、それにプロのアーティストが製作したステンドグラスがそこかしこに飾ってあるのだ。

The Gypsy Junker04

小さい頃はボーイスカウトに参加していたDereckさん。そこで「物を作る」ということと、自身の父親から学んだ建築技術を合わせて、今日も「ミクロ建築」の建物を建てている。

そんな彼の作品のthe Gypsy Junkerは、どちらかというと「住む」というより「くつろぐ空間」が楽しめるところ。キッチンやバスルームなどはなく、寝るかくつろぐだけの建物だが、移動が可能なこの建物は裏庭にも配置可能だしキャンプなどに連れて行って、ちょっとした読書や昼寝を楽しめる空間になり得る。手作り感いっぱいのthe Gypsy Junkerは、暖かい日差しを浴びてウトウトしながら午後の休息を取るのに最適な小さな隠れ家だ。

The Gypsy Junker05
Via: 
http://www.busyboo.com/
http://tinyhouseswoon.com/
http://www.boston.com/