本当に元ガレージ?360度ガラス張りのモダン建築「Renovated Garage」

自分の所有物をカスタム(改造)したことはあるだろうか。それはオリジナリティを出す、とても良い方法である。
自分でカスタムすれば責任は自分自身にかえってくる。一方、誰かに頼むとなると、頼んだ本人と頼まれた相手の間で、目指すべきモノのゴールを見つけなければならない。これがとても難しく、摺り合わせるのに多くの時間を割かなければならない。
今回紹介するスモールハウスはその成功事例である。

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ビルとルースはアメリカにあるヴァション島の海岸を見渡せるセカンドホームを買った。そこにはガレージ兼道具小屋がついていた。以前はそういうスペースがあれば卓球をしていたが、どんなことに活用したいかは考えていなかった。

ディナーパーティ、瞑想ヨガなど、マルチにスペースを使っていくうちに、彼らはガレージ以上のモノを求めるようになった。しかし、小さな窓や時代遅れの構造は理想とはほど遠い空間だ。彼らは小屋に手を入れる必要があった。

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そこで彼らはシアトルのデザイン会社Graypantsと打ち合わせを行った。2人が求めたのは、単なる心地よい空間ではなく、ガレージを再構成するというアートなプロジェクトだ。

問題なのは、創造には終わりが無いということである。ガレージはゲストハウスや食堂にもできる可能性があった。素晴らしい景色を観ながら美味しい食事をしたり、集まった人々でダンスパーティをしたり、カードを楽しむことだってできる。欲を言えばきりがない。
でも、ああでもない、こうでもないとやり取りをするのは、きっと楽しい時間だったことだろう。

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幾度かの打ち合わせを経て、いよいよリノベーションが始まる、まずはもともと付いていた屋根を勾配屋根にして、支柱の必要性を極力なくした。次に、内部の空間をより広く使えるように、四隅の天井高を上昇させた。外壁と屋根は水平パネルガラスと木材と銅板で交互に構成されている。

床は元の建物の壁に使用していた木材を再利用している。切断材で余った木材は、睡眠時や日中横になるために床に埋め込まれたマットレスに使われている。

バーは本棚の中にあり、ゲストが来たらバーカウンターに早変わり。外にあるL字の壁は元のガレージの状態で残している。それは、外廊下や屋外シャワーとの間の壁となり、空間を区切るのに役立っている。
「この建物は、あなたの周りにある、古いモノの移り変わりを観るためのシアターになる」と、デザイン会社Graypantsの代表であるGrizzleは言う。

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かくして、ガレージはガラス張りのモダンな建物に生まれ変わった。
自分たちで手を加える、それは自分たちなりのオリジナリティを出すための方法だ。その過程がモノに対する思い入れを生む。結果、そのモノが一層好きになる。
思いが、モノに魂を宿らせるのだ。
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via:
schuchartdow.com