世界の頂点に立つ、石造りのミニマムハウス「Notch Mountain Shelter」
山小屋に宿泊したことがある方ならご存知だと思いますが、そこは登山者のためのつかの間のオアシス。山の厳しい自然に立ち向かってきた人たちが、山小屋の姿を見てほっとするという話もよく聞くものです。
このNotch Mountain Shelterは、アメリカのコロラド州の山の頂上に立つミニマムハウス。ただ、登山者のための休息の地ではなく、どうやら個人の持ちものとのこと。頑丈な石造りの佇まいは、見るからに自然の風雪に耐え、ここにこもる人を守ってくれるシェルターといったイメージです。
屋内には寒さをしのぐのに欠かすことのできない暖炉を備えていますが、その他の目立った演出は一切ありません。きっと、ここの住人は寒い夜には寝袋にくるまり、この暖炉の火を消さずに過ごすことが想像できます。
岩がごろごろと転がる地面に、まるで同化するようにして建てられたシェルター。これがもし街の中にあったとしたら、なんだか武骨でとても不愛想。でも、こんな大自然の中ではむしろ美しいとさえ感じてしまうから不思議なものです。
高山の薄く澄んだ空気の中で、寒さやモノの少なさに耐えながら過ごす悠久の時間。下界とは比べ物にならないような厳しい自然環境の中でも、こんな素敵なシェルターがあれば、人はきっとかけがえのない休息を得られるのでしょう。