一日で建築可能、ロシアの森の小さな家「A MODULAR TINY HOUSE FROM RUSSIA」
「家を建てるのには時間がかかる」それはもう古い考え方かもしれない。
今回紹介するのは、そんないままでの常識を覆す家。ロシアの建築事務所BIO Architectsのモジュラーハウスは最短施工期間一日という驚きの速さで建ち上がる。その秘密はデザインのシンプルさにあった。
DUBLEDOMはあらかじめ組み立てられたパーツが届き、電気配線などの必要工程もなされ、現地では組み立てるだけというシステムで、サイズは26㎡、40㎡の2サイズが用意されている。
フルタイム、フルシーズン生活することを基本にデザインされているので、きちんと断熱処理が施されており、電気、シャワー、キッチン等生活に必要なものすべてがそろう。正面玄関部分は全面ガラスでできていて、スカイライト(天窓)もあるために3方向からの採光が季節を問わず可能。夜が長い冬の間も明るくすごせるだろう。
部屋を区切る壁がないワンフロアのデザインはとても開放的であるのと共に経費削減にもなっている。家具の配置場所によってレイアウトは自分の好みで変幻自在。外見はグレーのステンレスで簡素だが家の中は木でできているためアットホームで暖かな雰囲気を醸しだす。
表玄関部分もデッキかポーチを選べる。荷物が多い場合は家の後ろ部分に倉庫をオプションで連結することもできる。個々の状況に合わせて変化できる柔軟性はありがたい。これもシンプルさゆえ。余分なものがないかわりに後から自分で工夫していくのもまた楽しいだろう。
小さい家に住むときに必要なのは、自分自身の生活スタイルもシンプル化することだと思う。生活空間に自分が必要なものだけを選ぶ、その過程も楽しめるこころのゆとりも必要になるだろう。
一方で、ソーシャルライフはシンプル化するべきだろうか?筆者は、人間関係までミニマライズする必要は無いと考える。季節のイベントなどには友人や親せきを招いてパーティーをしたり、たまには自分だけのスペースを楽しむ必要もある。あるいは家族が増えることもある。そんな時にデッキとポーチのオプションは、小さい家で暮らす人々にとってうれしいものとなるだろう。
パーティースペースやプライベートなメディテーションスペース、あるいは子供のプレイハウスなど、そこに住む人によって変化する。家とともに年齢を重ねることができる、そんな家がここにある。