第6回:海のある町に引越してからの仕事のつくり方、育て方。|葉山暮らし
海の家の季節も終わり、これから涼しげな秋の顔を見せる葉山町。
僕が吉祥寺から葉山町に引っ越し、東京の会社との関係をパートナー契約に変えて、個人事務所としても動き出したのが秋から冬にかけての季節でした。
馴染みのない地域の中で、やりたいことに自ら手を挙げる。
ひとり暮らしを始めた僕は、新しい毎日を楽しむべく、仕事の時間が空くとすぐ、徒歩圏内にある古民家を改装した素敵なカフェに足を運び、お茶をして時間をすごしていました。
都内の仕事をこなしながら、住まう地域の中でもスキルを活かしてみたいという思いを持つ毎日。ですが、実績も知人もない場所ではプレゼンの場もありません。出会いのみが機会をつくりだす種でした。
いつも時間を過ごしているカフェは平屋を改装した小さなスペースだったため、ほかのお客さんと斜め向かいで1対1になるという状況もしばしば。話もはずみ、月に数人は近隣で何かをされている方と仲良くなりました。
そんなある日、鎌倉の海沿いにギャラリーを立ち上げるというお話を聞いて、自ら手を挙げて、ウェブサイトの立ち上げに参加したのがこの町での仕事のはじまりです。
出会いが輪となり、自分の居場所となる。
そんなギャラリーの仕事をさせて頂く中で、オーナーさんと笑い話ばかりできるようになった頃には、そこに関わるさまざまなヒトたちとの輪が自然とできていました。
ギャラリーという仕事柄、フォトグラファー、スタイリスト、工務店、ショップオーナーなど、多彩な顔ぶれに日々出会い、みなさんの空気がやさしく学ばせていただくことばかりだったのが、僕には宝物のようでした。
今もこの町で気持ちよい毎日を送っていられるのは、その輪の中に招き入れてもらったからだと思っています。
居場所を”ちから”に、自分を育てていく。
数年経って、何もないと思っていた自分にも、いくつかの実績ができてきました。
知人経由で相談があるときもあれば、ウェブサイトからまったく新しい方にご相談いただくこともあり、その都度、新鮮な驚きがありました。
都内では営業とディレクターを兼務し、企業とのやりとりを毎日行なっていたため、仕事のつくり方は理解していましたが、その反面、この町では組織という後ろ盾のない、ひとりぼっちの自分に仕事をもらえることのありがたさをしみじみ感じていたので、およびがかかるたびにできるだけのことをしたい、また、会社ではできなかったことをしたい、という思いでひとつひとつに携わりました。
自分で育てた”ちから”だから、活かしていきたい。
それからは、東京の仕事もこなしながら、地域のちいさな企画・デザイン事務所として、地域食材を用いたデリカテッセンのブランディングや、地域の訪問診療内科の企画に携わったりと、ローカル性の高い案件に携わらせて頂いています。
移住をしてから色々な出会いで仕事をする中で、モノやコトを円滑に進めるための「ヒト」との関係づくりからはじめる、広いデザインに携われる喜びを感じています。
はじめてのギャラリーの仕事に自ら手を挙げた頃の気持ちで、
現在は
・神奈川のモール内の新しい売り場づくり
・新潟の集落のヴィレッジ構想
・千葉のシェアハウス構想 など、
自分で身につけたちいさなスキルを、知らない場所でさらに育てるための挙手をつづけています。
(YADOKARIさんと「AURORA」というオンラインストアも立ち上げたりしています)
これからものんびりと、自分ができることを探していきたいと思います。
よろしかったら、お茶でもいかがですか?
なにかお手伝いできることがあれば、お茶でもいかがですか?色々な方とおしゃべりしたいと思っています。
葉山までお越しの際は、ちいさいジムニーで、素敵な町をご案内させていただきますよ。
今週末も、はじめてメールをくれた都内勤務の方と、葉山でコーヒーを飲みながら移住についての作戦会議です(笑)