第7回:生きる芸術「空き家を巡る冒険/運命の空き家編」|芸術は生きる技術

空き家ヘッダー
こんにちは。夫婦でアート活動をする檻之汰鷲(おりのたわし)こと、石渡のりおです。今回は、空き家を探す冒険の話をします。みなさん、いま日本に空き家がどれだけあるかご存知ですか?

820万分の1理想の空き家

ぼくが空き家に注目するようになったのは、ザンビアで泥の家を建てたのがきっかけでした。調べてみると、日本にもかつて、お互いを助け合う村や町単位の共同体があって、自分たちで家を建てた時代が遠くない昔にあったことを知りました。
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それ以降、旅から日本に帰ったら、自分で家を建ててみたいと考えるようになり、インターネットで調べるうちに、日本には約820万戸もの空き家があることを知りました。余っている家を利用すれば、経済負担の少ない、理想の暮らしをつくることができるのではないでしょうか。
ぼくら夫婦の理想とは、作品をつくる広いアトリエがあって、できれば暖かいところで、ボートを自分でつくって乗れる、海の近くに暮らすことでした。

理想の空き家を求めて

今年6月に日本に帰国するとすぐに、高知県に空き家を探しに行きました。縁あって、津野町にある小学校をリノベーションした宿、森の巣箱という宿に1泊しました。村の人たちは、巣箱の1階にある居酒屋に集まって、家族のように夕飯を食べていました。ぼくもテーブルを囲んで呑みながら、空き家を探していることを話しました。
するとひとりが「政府や自治体は空き家と呼ぶが、あれは先祖代々のもので、誰も住んでなくても構わないし、ボロボロで使えないから、この村には君が利用できる空き家は、すぐにはないぞ。」と言われてしまいました。
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津野町の人たちが過疎で廃校になった
小学校をリノベーションしてつくった森の巣箱

社会問題としても取り上げられる、増えていく空き家も820万分の1となれば、それはもう運命の空き家です。ぼくら夫婦の理想の空き家は、一体どこにあるのでしょうか?

情報になる前の天然モノをみつけること

運命の空き家候補は、インターネットの情報や不動産屋が持っているものではなく、修理しなければ住めないような、誰も見向きもしない商品にならない天然モノだったのです。食べ物でも「天然物」といって高価な値で取引されていますが、それは単なる野生のもので、本来、自然にそこら辺で獲れていたものなのです。だから、よく探せばそこら中にいろんな天然モノがあるはずです。
ぼくらは天然の空き家をみつけるために「いま空き家を探している。改修して住みたい。まったくの素人だけど、ぼくらが空き家を修理して住めるなら誰でもできる。そういう前例をつくりたい。」と人に会う度に話をして情報を求めました。

「生きがいを感じることができる社会へ~あったらいいなを想像して創造する~」をコンセプトに活動するNPO「芸術家の村」を主催する柚木さんに出会ってから1ヶ月ほどするとコトが動き始めました。
「ある空き家のオーナーから物件の運用について相談されたのですが、石渡さんも打ち合わせに参加しませんか」と誘ってくれたのです。

未知だからこそ冒険が始まる

オーナーは、相続する予定の古くなった物件を直すにも壊すにも、相続税や固定資産税など、経済負担が大きいため、解決策を模索していました。オーナーは、この問題を自分だけのものではなく、これから増えていく空き家問題の事例のひとつとして考えていました。
オーナーは、驚くべき計画を口にしました。
「空き家を素人に改修させ、これから増加する空き家の解決策にできないだろうか」と企んでいたのです。これこそ、ぼくたち夫婦が望んでいた計画でした。
水谷仕組み

オーナーは、空き家を法人に譲渡する
オーナーは、改修費用を出資する
素人が空き家を改修して技術を身につける
新しくなった空き家を賃貸し、改修者とオーナーが分配を受け取る

空き家は、愛知県津島市にありました。そこは海の傍ではなかったですし、鎌倉や京都のような観光地でもありませんでした。しかし、すでにある情報は誰かがみつけた価値なのです。何があるのか分からない津島市の空き家に、この先何が待っているのか分からないからこそ、始める魅力を感じました。
第2回目は、この空き家の全貌と、この冒険を一緒に始めた仲間たちの話をします。もちろん、この話は、この先どうなるのか分かりませんが、みなさんと、その行く末も共有できれば、それもまた冒険かと思っています。
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