彼は屋根に何を見る?「Paris roof Tops」

prt_14電線から電線へ飛び移る鳥のような視点で、街にあるお家の屋根を見てみよう。あなたの目にはきっと、凝縮されたその街の姿が映っているだろう。

これは、パリの街の「屋根」に焦点を当てた「Paris roof tops」という作品だ。これの作者、ドイツ出身のフォトグラファーMichael Wolfは今までの人生のうち、約10年間をパリで過ごした。ドイツに生まれた後は、カナダ、ヨーロッパ、アメリカと、世界各地で育ってきた。現在は香港に住んでいる。

94f6f996ec3a866ce6d587d28bd5b809いろいろな土地に住むと、その土地の「色」のようなものが見えてくる。それは絶対的な色なのか相対的な色なのかはわからない。きっと彼も、いままで住んだ土地のそれを胸に抱えているだろう。

06彼は「Paris roof top」という作品に、彼の感じたパリの街を表現している。おそらく、建物が所狭しに並んでいる印象を持っているのだろう。満員電車に乗った時のように、窮屈そうに「きゅっ」と身をすぼめる感覚だろうか。

prt_16日本で過ごしているから筆者から見ると、この写真が屋根であることがすぐには分からない。土製の花瓶を逆さまにしたような煙突があることから、なんとなく屋根なのだろうと感じる。そしておびただしい数のそれが並んでいる様子から、Michael Wolfにとってのパリは身をすぼめたくなるものかと推測できる。

prt_13_40x56しかし彼はこの作品に、全く別の視点を取り入れている。それは「屋根ひとつひとつがそれの哲学を内包している」ということだ。そう考えて見てみると、各々の表情が違うように思う。

彼は家(屋根)の表情を観察することに何を見出したのか。窓でもドアでも観察し、彼の真似をしてみたら少しは分かるのかもしれない。

0102
Via:
thisiscolossal.com
nationaltraveller.com
photomichaelwolf.com