若きファーマーの住まいは7㎡の極小コテージ「Gnomadik Micro Cottage」

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「ドナドナドーナードーナー、おうちをのーせーてー」。2014年の初夏、7㎡のとても小さなモバイルコテージがアメリカ北部のオーカス島へ向けて出発した。有名な童謡のかわいそうな子牛と違い、小動物のようにかわいらしいこの小さなおうちは、なんだかとても嬉しそうにゴトゴトと車に揺られ、ビルダーの元から新天地へと旅立って行くのだ。

この極小コテージ「Gnomadik Micro Cottage」は、2013年、アーティストやエンジニア、職人から構成されるバンクーバーのGnomadik Homesから発表されたもの。

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記念すべき第一号のオーナーはカナダとアメリカの国境近く、ワシントン州オーカス島でハーブティーやハーブを使ったケア製品のファームを営むRyan Morrisさん。
Gnomadik Homesに寄せられたメッセージには、「この家で過ごす時間の全てがとても幸せで、刺激に満ちている」と、愛らしいこの新居との蜜月を心から楽しんでいる様子が綴られている。若きファーマーをそこまで虜にしてしまった小さなキャビンとは一体どのようなものなのだろうか。

はぜ継ぎのシルバーの屋根に、トタン波板と杉板を貼り分けたサイディングがどこか北欧の家を想わせる素朴な外観。
個性的なデッキの手すりと同様、斜めにくり抜かれた明かり取りのガラスが印象的なドアを開けると、折りたたみ式のテーブルとソファーを兼ねた、ダイニングチェアーの一画が目に飛び込んでくる。

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エントランス方向を見て右手はガスコンロを置くカウンターと高級パイン材を使用したタッチオープン式の引き出し収納、左手には小さな冷蔵庫と水のタンク、装飾的なエッジングが施された銅の蛇口とサラダボウルを使ったシンクが玄関ドアを挟んで向かい合わせに配置されている。

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この小さな住まいにはいたる所にエキゾチックな雰囲気の彫刻が施され、ミニマルでありながら、実用一辺倒に傾くことを良しとしない職人の遊び心が感じられる。そこには「家はとてもパーソナルなものだから、住む人の個性を反映させたものであるべき」というビルダーのAdamさんの哲学が反映されているようだ。

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玄関ドアの真上にあるロフトへは、コンロ脇の壁から突き出た小さな踏み板で上ることが出来る。子供だったら大喜びしそうなこの階段、大人は慣れるまで少し戸惑ってしまいそうな微妙な位置にある。ここは省スペースの宿命と割り切り、童心に返って楽しむ方が勝ち、といったところだろうか。

バスルームとトイレも7㎡にはさすがに入りきらなかったらしく、Gnomadik Homesでは希望に応じてシャワーブースとトイレの別棟をオーダーすることが可能。

見た目はとてもかわいらしいこのコテージだが、カナダの厳しい冬の寒さの中でも快適に住めるよう、屋根と壁の断熱はもちろん、窓は木製サッシのペアガラス、床にはサーモスタット付きの床暖房が標準装備されている。

気になる家の販売価格は約19,000ドル、別棟は約10,000ドル位になる見通しという。別棟を除く本体の製作費だけなら約8,000ドルでできたという話を聞くと、家を持つことが身近に感じられる。

家を持つタイミングは本来人それぞれなはず。「持ち家」を大上段に構えずに、今を楽しむ自分だけの家を持つという人々は、タイニーハウスの普及とともにこれからも増えていくことだろう。オーカス島のファームで気持ちの良い風を受けながら、今日もこの小さなキャビンは主人の帰りを静かに待ちわびているのかもしれない。

Via:
facebook.com/gnomadik
gnomadik.com
tinyhouselistings.com