次の停車駅は、竜宮城です「Next Stop, Atlantic」

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海の中へどぼん、どぼんと投げ込まれる列車。
えっ、これって不法投棄じゃないの? 環境汚染反対!
……いえいえ、落ち着いて。これには深いわけがあるのです。

ニューヨーク市は、壊れた地下鉄の車両を10年以上前から大西洋に投棄してきました。それだけ聞くと、ものすごい環境汚染をしているようですが、目的はその真逆です。海の中へ車両を投げ入れることで、サンゴ礁の生育を促す環境をつくろうとしているのです。

この取り組みを3年にわたって撮影し続けた写真家がいます。Stephen Mallon の作品「Next Stop, Atlantic」には、美しくも暴力的と評されたプロジェクトの一連の様子が記録されています。

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使えなくなった車両は一箇所に集められ、不要な窓や冷暖房システム、モーター、車輪などが取り外されます。

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そして、専用のはしけに積まれ、冷たい大西洋の真ん中へ。

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目的地にたどり着くと、重機によって豪快に海中へ投げ込まれます!

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車両の複雑な金属パイプの構造は、サンゴ礁を育む生態系にうってつけです。5年経つと、まるで乗客のような顔をして魚たちが棲みついている様子がうかがえます。

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10年が経過すると、もとが電車であったことなどわからないくらい、豊かなサンゴ礁の生態系に成長していました。

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人間には不要になったゴミが、海底の豊かな住まいに変身。意外な形の共生のあり方が、美しい作品となって記録されています。

Via:
viralforest.com
reframe.gizmodo.com
littlethings.com