サスティナブルなアルミニウムの家の群れ「Element House」

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Via:elementhouse.org

New Mexicoの野原に並ぶ、家の群れ。これはElement Houseといって、アメリカにあるMuseum of Outdoor Artsという美術館によるプロジェクトです。この家の群れをデザインしたのは、New Yorkを拠点にしているMOS Architect。彼らは今までも、目を惹き付けるようなデザインと、暮らしの可能性を探求するようなアパートメントや住宅のプロジェクトを手がけています。

Via:archrecord.construction.com

このElements House、様々な特徴がありますが、1番人々の目や心を惹き付けるのは、この形ではないでしょうか。いわゆる”さんかく屋根”のおうちの形。子供の頃に絵本で見たような、屋根から突き出た煙突の形も合わさって、どこか懐かしいような雰囲気を持っています。
しかし、一筋縄ではいかないのがMOSのデザイン。よく見ると、この1つ1つの家は独立しているのではなく、壁を共有して繋がっています。また、少しずつ角度の振り方を変えながら連結させていて、それぞれの棟から窓を介して見える景色は少しずつ違います。この並べ方は、フィボナッチ数列を元に決めているそうで、それによって、より自然界の状態に近づけられるように試みています。

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このElement Houseにはもう1つ、特筆すべき点があります。それは、外壁材として使われているアルミニウムです。アルミニウムは普通、加工されたり、他の物質との化合物として建材に使用されます。しかし、この家には、アルミニウムそのものの、他の仕上げが一切施されていないものが使用されています。このため、とても頑丈でどんな天候にも耐えうる外壁になっています。また、もしこの家を壊す場合は、簡単にリサイクルできるようにもなっています。まさに、ミクロレベルで持続可能な家といえるのかもしれません。

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また、アルミニウムを外壁材に使うことによって、エコな家にもなっています。比熱が小さいアルミニウムは、家の内部の熱を、簡単に外に逃がすという効果もあるのです。オフグリッドなこのNew Mexicoの立地に合った、非常にエネルギー効率に優れた家です。

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美術館のプロジェクトであり、アートの側面が強いこの家の群れ。アートといえど、計算されつくし、非常に理にかなった作品になっています。中からどんな景色が見えるのか、一度見てみたいものですね。

Via:
mos-office.net
moaonline.or
elementhouse.org
archrecord.construction.co