カラフルな色使いをお手本にしたい!オースティンのボヘミアン・トレーラーハウス「Bohemian house」
カラフルな色使いと飾り板の装飾が美しいこの家は、2台のトレーラーを90°の角度で組み合わせてウッドデッキでつないだ、400sq.ft(約37㎡)の小さな家だ。
トレーラーハウスのオーナーの希望である「きれいなライン、豊かな質感、大胆な色使い」をインテリアデザイナーのKim Lewisはこの小さなスペースで実現してしまったのだ。
小さな、限られたスペースのなかで暮らすには、必要なものを厳選する必要がある。キッチン道具、食器などは最少限で、色も統一した。収納場所の確保と省スペースも大事だ。壁に備え付けられた、革バンドを使った吊り棚や、壁をオープン収納として使ったり、壁にパイプを付けハンガーラックとして使ったり、出入り口のドアとバスルームのドアはスライドドアを採用するなどの工夫がされている。更にこの家はトレーラーハウスなので、移動することも考えて軽い素材が選ばれている。
一般的に、「小さなスぺースに使用するインテリアの色数は最小限にする」というのが普通で、さらに、暗い色は収縮色で狭く感じさせる特徴があるので使用されないことが多い。
しかしKim Lewisはキッチンの狭い面の壁の色と天井をあえて黒にし、白い壁とのコントラストによって空間にインパクトをもたらした。壁から下がる照明は形は個性的であるが省スペースなのがわかる。キッチンカウンターの側面の色も、素人的に考えると照明やクッションとリンクする黄金色や壁と同色の白にしたいところだが、強いグリーンをもってくるところが、さすがである。
2台のトレーラーをつなぐ渡り廊下はソファーとハンモックがある寛ぎのスペースで、ソファーの下には2匹の犬のためのベッドが備わっている。細やかな配慮に好感が持てる。
ベッドルームにはたっぷりと収納もあり、バス、洗濯機も設置されいるので快適に過ごせるだろう。天井部には棚が設置されており、オーナー夫妻の趣味のキャンピング用品が収納されている。
このアウトドアデッキの階段のカラフルな色は、家のインテリアに使われたグァテマラのテキスタイルとリンクしている。さらにデッキの幅は、普通の2倍のサイズになっていて、人々がくつろいで座れるように計算されている。窓辺にはバーも設置され、小さい家だが多くの友人を呼んでアウトドアパーティーなどもできるオープンでフレンドリーな家である。
この色使いのテクニックは家づくりだけでなく、私たちにもすぐ取り入れられそうなテクニックである。こんなカラフルで楽しい家で気分も明るく暮らしたいものだ。
(文=加藤聖子)