表と裏、ふたつの異なる庭を愉しむ小さなガーデンハウス「Poplar Garden House 」
平日は忙しくて、家には寝に帰るだけ。ならば日常を過ごす家よりも、週末を豊かに過ごすための小屋に目を向けてみてはいかがだろう。
オランダ北部の商工業都市、フローニンゲン。街の中心部近く、線路と幹線道路にはさまれた三角形の土地に、市民が安価に利用できる緑豊かなコミュニティーガーデンがある。Onixを主催する建築家のHaiko Meijer 氏は、そこに家族のための小さなガーデンハウスを建てた。
シャープな輪郭を見せる切妻屋根の小屋は、無駄な装飾をそぎ落とした彫刻のような佇まい。風雨にさらされ、シルバーグレーに変化した外壁のポプラが、デッキと手前にのびる小道に上手く馴染んでいる。
余暇の小屋には日常を過ごすための過剰な設備はいらない。内部にあるのはコンクリートで作られた、ごくシンプルな美しいキッチンと薪ストーブだけ。
小屋の木材は基礎から窓枠にいたるまで、外壁と同じポプラ材で統一されている。すべて同じサイズの厚板を使用することで、コスト対策と後々のメンテナンスが容易になった。小屋の主役は庭なのだから、インテリアは素っ気ないくらいがちょうどいい。
この小屋には北側にも前庭と趣向を異にする庭がある。正面が外に開かれた庭だとしたら、こちらは内に閉じた庭。半日陰の北側はリンゴの木を中心に、シャクナゲやコニファーで囲まれている。人の目が気にならない裏庭のデッキは、真にくつろぐための場所。お気に入りの椅子に座って目を閉じ、さざめく葉の音に耳を澄ませてみたい。
普段の家はつつましやかでも、週末の小屋は一級品。自分だけの、家族だけの場所があるというささやかな秘密。贅沢な家よりも、自分らしくいられる小さな空間が、都会に暮らす大人たちのオアシスになる。
Via:
onix.nl
gardenista.com