フィルムカメラを選ぶ
今回は、いまのカメラライフの基盤をつくってくれた「相棒カメラ」を手に入れるまでを書いていきます。
難しく考えない中古カメラ
カメラを探すことは憧れのカメラライフを始めるに当たって一つ目の高いハードルでした。
膨大なカメラとレンズの種類。
メーカー別の特徴。
そしてフィルムカメラといえば、中古。
中古といえば個体差。
ん~…いかにも苦手分野!
勇気を出して中古カメラ屋さんに行っても、何を聞いていいのかさえわからず無言で引き返すという始末。
結局自分一人ではどうにもならず、カメラに詳しい知人にどのカメラがおすすめかをたずねてみました。(最初からそうすればよかったのですが)
そこでまず、こんなことを聞かれました。
「きみはどんな写真を撮りたいの?それがわからないとお勧めっていわれてもなぁ。」
その一言になんだかはっとさせられたのでした。
そうだよね。どんなにカメラに詳しくても、どんな写真が撮りたいかがわからなかったら相棒カメラはえらべないよね。
ということで、知識はプロにお任せするとして、自分の撮りたい写真を挙げてみることに。
カメラ選びは写真を楽しむ、の第一歩
自分の撮りたいもの。
これがわかるとカメラ屋さんで、こんな写真が撮りたいのですがどういったカメラがおすすめですか?と聞くことができます。
風景、食べ物、花、人…。
それに加えて、どんな使い方をしたいのか。
外に持ち歩きたい。スタジオで撮りたい。いつでもカバンの中に持っていたい…。
私がたどり着いたのは
旅や散歩に出かけたときに風景や人、食べ物を撮りたい。
できるだけ持ち運びやすくて、撮りたいときにサッとだして撮りたい。
自分の目でみた風景に近い感覚の写真にしたい。
撮ったものが引き立つように、背景をボカして撮りたい。
この大きな(?)ビジョンをもっていざカメラ屋さんに出陣!店員さんには、バリバリの初心者ですアピールをしてみました。するといろいろ親切に教えてくれて、大きな収穫が。
結果、
レンズ交換ができる一眼レフ。
大きすぎない35mmフィルムを使うカメラ。
目でみた感じと近い描写ができる50mmのレンズ。
思い立ったときにすぐ撮れる、絞り優先機能がついている。
これが私が相棒カメラに求める条件になりました。カメラはまだ手にいれてないのに、すでにここから始まっている気がしてワクワク感が高まります。
カメラの個性
カメラの大まかな種類を決めたら、今度は気になるカメラを手にとって、自分にしっくりくるものを見つける。中古カメラはその状態によってランク分けされており、価格も当然違います。予算とにらめっこしながらカメラとお見合いです。
お見合いですから、お店の方にいくら「これはとてもいい状態だよ」と言われても、手にとってみて感覚的になんか違うなと思ったらそれは自分にとっては違うのです。
だから、ここからはもう勘だ!と思ってじっくりと手にとって、ファインダーを覗いて検討をしました。
最終的に私がたどり着いたのは
Nikon FE2 というカメラ。NIKKOR 50mm f1.4というレンズとセットで購入しました。
(焦点距離50mmのレンズは肉眼の視野に近いといわれています。レンズは他に望遠、広角レンズなどがあります。)
(f 1.4はおおまかに言うとレンズの明るさを示しています。値が小さいほどたくさんの光を通します。また、ピントの合う範囲を狭くできるので背景をぼかすことができます。)
条件をしっかり満たしたうえに私が気に入ったのはピントを合わせるためのスクリーン。
スクリーンはいくつか種類があるのですが、このカメラには全面マットというスクリーンがついていました。
自分の目の感覚でピントを合わせるのが特徴のスクリーンです。
正直ピントをきっちり合わせるのには難しい。けれど、はじめてファインダーを覗いた瞬間に、スッと景色の中へ吸い込まれるような不思議な感覚を味わいました。
この感覚が決めてとなったわけですが、実は購入時はこれがこの機種の標準装備だと思っていました。あるとき友人に、全面マットって難しくない?ときかれてはじめて交換式スクリーンであることに気がついたのでした
これはこのカメラの個性なんだな、と思うとなんだか機械というより、自分の撮りたい風景を撮ってくれる相棒のような存在に思えてきました。
知識は自然と後からついてきます。焦らずにひとつひとつ選ぶことを楽しむ、これがフィルム写真の楽しみ方だと思います。