旅暮らしのエアストリームは、作り手の想いをのせたセレクトショップ「Small Room Collective」

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Via: smallroomcollective

好きじゃないとできない、自虐気味に笑って語れる何かのある人は素敵だ。半世紀も昔の高級中古トレーラーをショップに改造し、人や物との出会いを求めて全米各地を旅するTravisとLaurenはそんな2人だ。夜には、トレーラーが彼らと保護犬だったGeorgeの帰る家になる。そんな生活、好きじゃないと、きっとできない。

2人は手探りで旅するような暮らしを実践してきた。2011年、なじみのあるテキサス州のオースティンを離れ、旅先でLaurenが契約制の看護師として働くかたわら、彼女のお眼鏡にかなったビンテージの服やアクセサリーを売り始めた。

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行く先々で刺激的な人々と出会う中、各地のアーティストやデザイナーの作品と、次に訪れる土地の人々をつなぎたいと考えた2人。旅を続けながら店開きもできるモバイルショップはピッタリのスタイルだった。

Laurenが看護師の仕事を小休止したことで一切の制約がなくなり、早速古いトレーラーを探し始めた。1963年式のエアストリームのグローブトロッターの車内を店としてカスタマイズすると、待望のモバイルショップ「Small Room Collective」が誕生した。

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「Small Room Collective」には様々な土地で出会ったアーティストによる作品や雑貨、ローカルビジネスから生まれた製品、旅先で仕入れた一点物のビンテージの古着が並ぶ。宝探しの気分を味わいたい大人たちは、期待に胸を高鳴らせながら、クロームの丸みを帯びたボディに吸い込まれていく。

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店内をのぞくと、ギャラリーのようにセンス良くディスプレイされた品々が見て取れる。しゃれた雰囲気とは裏腹に、職住一体の店の開店準備は大変だ。ついさっきまでくつろいでいたソファーが商品の置き場になるのだから慌ただしい。店を出すロケーションを確保するため、移動するたびに2人で営業のメールや電話もしなければならない。身軽でオシャレなイメージのあるモバイルショップだが、見えない所は意外に泥臭い。

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新たな出会いを求めて旅するセレクトショップは、クリック一つで地球のどこからでも物が買える現代では、随分手間のかかる商売に思える。でもその手間こそが彼らの原動力。じっとしていたらきっと一生巡りあうことのなかった人々と出会い、ユニークな作品に触れ、作品を通してまた別の場所で違う人々と引き合う。納得のいかない物を生活のために売るのとは訳が違う。お金もうけには明らかに向かない。けれども、これもある意味豊かな暮らし方ではないだろうか。

好きじゃないとできないよ、と2人に笑い飛ばされてしまいそうだけど。

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Via:
smallroomcollective.com
wandrlymagazine.com
www.etsy.com