森に輝くカンテラに帰る・富士山・土地276坪
暗闇に明かりがぼうっと浮かんでいるのを見るのが好きだ。盆踊りの提灯も、祭りの屋台の電球も、山のキャンプファイヤーも、昼間ならきっと惹かれない。
エリア:山梨県南都留郡鳴沢村字富士山 価格:成約済
建物面積:41.32坪 敷地面積:276.78坪
間取り:2LDK+α
暗闇に浮かび上がる幻燈
富士山麓の木立の中、カンテラのように燦然と周囲を照らす森の一軒家。夕刻から始まるコンサートの野外ホールを見るような胸の高鳴りを感じる外観。夜の家の美しさを見たいがために、家の主は日の暮れた頃を見計らい、散歩に出るのが習慣になりそうだ。散歩の帰り道、家の明かりが遠くに見えてきた所で歩くペースをスローダウンする。幾枚ものガラス窓から漏れ出すあたたかな光に満ちた家。しばし見とれた後、その明かりに吸い寄せられるようにして家の中に入って行く。
ゲストを招待する時も、前日の夕方からの集合が良いかもしれない。夏の季節は外のデッキで少し早目の乾杯からスタート。日が傾いてきたら、待ってましたとばかりに家のライトを点灯する。何度見てもいいなと思う瞬間だ。そんな自分を気取られない様に、点灯式の後はいつにも増して饒舌になってしまう。
大開口のLDK、使い方は十人十色
夜に見る家の佇まいも素晴らしいが、家の中から見る昼間の景色もまた格別だ。大きなガラスウォール越しに、富士山麓の豊かな緑が手の届きそうな距離まで迫ってくる。秋にはこの窓一面が黄金色に染まり、冬には一転、銀世界へと姿を変えて、訪れる者の目を楽しませてくれる。
自然の描く四季折々の大作を前に、30畳の大空間であなたなら何をして過ごすだろうか?富士の麓に越してくる人々は大なり小なり山好きなのではないか?頂上を目指す途中で目にする可憐な高山植物やシャイな小動物たち。ファインダーに収めるのが趣味ならば、このLDKで個展を開催するのも夢ではない。凝り性でいつの間にかカメラの機材が増えてしまったとしても、二階の洋室にはたっぷりのスペースがある。雑多な物は隣の納戸に収め、勾配天井の寝室には自慢のカメラコレクションを飾る棚を造りつけても良いだろう。
暖炉があるという至福
山の別荘にはぜひとも欲しい暖炉もこの家にはちゃんとついている。寒さの厳しい季節のお楽しみは暖炉の前で飲むココアやコーヒー。この場所ではどんな暖かい飲み物も特別においしく感じてしまうようだ。なめらかな木肌のロッキングチェアーに揺られ、ココア片手にスリリングな山岳小説を読む幸せ。ぱちん、ぱちんとはじける薪の音が広いLDKに響き渡る。
眺めの良さの代償はメンテナンスする窓数の多さ。自分で全てやるのは憂鬱だが、洗剤でお絵かきさせてガラス拭きを子供たちの遊びに仕立てたり、バーベキューへ誘った友人たちに水遊び気分で手伝ってもらうのが得策だろうか??