おとぼけフォルムの山小屋、訳あって「へ」の字型なんです。「Bjellandsbu」
![Bjellandsbu-tub03](https://i1.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/08/Bjellandsbu-tub03.jpg?resize=620%2C465&ssl=1)
移動手段は徒歩か馬という、外界とは閉ざされたノルウェーのフィヨルド(氷河による浸食作用によって形成された湾・入り江)の一角。ここに小さな狩猟小屋が建てられました。ゆるキャラのような「のほほん」とした顔つきの小屋は、遠路はるばる訪れるゲストをにこやかに迎え入れてくれます。
![Bjellandsbu-tub01](https://i1.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/08/Bjellandsbu-tub01.jpg?resize=620%2C333&ssl=1)
なだらかなスロープを描く屋根の上には草を生やし、壁の一部には地元の石を積み上げた素朴な山小屋。岩場をのぞむ方向にはタールを塗布した木材が採用されました。近場の材料をうまく利用することで、コストの問題だけでなく、資材を輸送する際のエネルギーも減らすことができたようです。
この小屋は環境への負担を減らすだけではなく、フィヨルドの美しい景観を台無しにしないよう、デザインにも工夫がこらされていました。湖の方向から見ると、小屋の「へ」の字の形が近くの岩山の雰囲気にそっくりなことに気付いたでしょうか?屋根を覆う草と相まって、小屋が周囲の環境と一体化しているのがよくわかります。
![Bjellandsbu-tub02](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/08/Bjellandsbu-tub02.jpg?resize=620%2C469&ssl=1)
気になる小屋の内部はというと、おとぼけ顔の外観とは打って変わり、モダンとナチュラルが程よいさじ加減のオシャレなインテリアが広がっていました。天井から吊り下げられた大きな暖炉は、贅沢な山荘の雰囲気には欠かせません。
![Bjellandsbu-tub05](https://i2.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/08/Bjellandsbu-tub05.jpg?resize=620%2C460&ssl=1)
実はこの小屋、広さは35㎡にもかかわらず、最大で21人が収容できるように設計されています。外から見る限りでは、とてもそんな大人数が寝泊まりできる場所には見えません。もしかして、何か特別な工夫でも隠されているのでしょうか?
その答えは、中央の暖炉を囲んで壁にぐるりと配置されたベッドにありました。このべッドを、食事に団らんにとフル活用するのです。狭いスペースを大勢でシェアすることで、仲間との語らいもいつもより饒舌になってしまいそうですね!
この地を愛するクライアントと、建築事務所の英知が生んだ小さな癒しの山小屋。今日もフィヨルドでひっそりとゲストの到着を心待ちにしていることでしょう。
![Bjellandsbu-tub04](https://i0.wp.com/yadokari.net/wp-content/uploads/2015/08/Bjellandsbu-tub04.jpg?resize=620%2C444&ssl=1)