24時間で組み立て可能な避難シェルター、命を救うコーヒーカップ「EXO」
2005年8月、米国で猛威を振るったハリケーン・カトリーナによる被災により、2万人以上の米国民は、避難生活を強いられた。感染症が蔓延し、救助活動は困難を極め、救助に当たった警察官や州兵からは逃亡者や自殺者が出たと言われる。
ハリケーン・カトリーナの上陸から、10年。幼い頃からミシシッピで育ち、幾つものハリケーンを経験したMichael McDanielを中心としたReactionHousingは、画期的な避難シェルター「EXO」を完成させた。
コーヒーカップの形状からヒントを得た「EXO」は、壁天井が一体になった「シェル(外殻)」と「床材」との二つのパーツのみで構成されている。まさにフタの付いたコーヒーカップを逆さに置いたような形状となっている。
シンプルなパーツ構成と、軽量化により、迅速な輸送と組み立てが可能となった。コーヒーカップとフタは別々にスタックして積み上げることができ、長期保管でき、大量輸送が可能だ。米国の州間幹線道路の移動、また列車や、空輸を想定している。
千人規模の被災者に対し、24時間以内の組み立て設置が可能だ。また、避難シェルターのみならず、観光地の宿泊施設としての使用も想定される。
「EXO」の壁に備えられた折り畳みのベッドで、一棟辺り4名が宿泊可能だ。4面の壁には、LEDライトを始め、電源オプションなど各種設備機能が、収納されている。外部に向けたLEDディスプレーには、外部から、利用するスタッフや宿泊者を識別することができる。また、各部屋は、NFCによるブレスレットやスマートキーを利用した、最先端のセキュリティで守られている。
大人が数人で持ち運べることができる、この大きなコーヒーカップは、インスタントでも、十分に暖かい温もりを与えてくることだろう。