北向きでも居心地は良好、別荘風の小さな仕事部屋「Writer’s Cottage 2」

ImageGen tub-01
Via: jva

自宅で仕事や書き物をするとなかなか集中できない、独立した書斎が欲しいと悩む人は多いもの。日本から遠く離れたオスロ郊外にも、自宅の敷地に仕事や執筆専用の部屋を計画したクライアントがいます。住宅地にある北向きの立地という制限の中で、彼らが希望した田舎の別荘風離れを実現することはできたのでしょうか?

ImageGen tub-03
http: jva

田舎の別荘に代わる空間を、気軽にアクセスできる自宅の敷地内で実現しようとした今回のプロジェクト。南側にはクライアントの自宅があり、必然的に残された北側の土地が離れの建設場所になりました。

北向きの室内に出来る限り光を取り込むよう、プロジェクトを担当したJVAの建築家は離れの横幅いっぱいにガラス窓を設置。敷地の北側はすぐ下が斜面になっており、大きなガラス窓の先にはさえぎる物もなく、四季折々のノルウェーの自然がガラスの存在を忘れる鮮明さで映し出されます。

ImageGen tub-02
Via: nyinorgee.blogspot.jp

室内は天井と壁をダークにペイントし、床には同じ色味のサイザル麻を敷き込みました。額縁に見立てた濃い目の内装は、季節の移り変わりや列車の往来といった日常のワンシーンをドラマティックに切り取り、見る者を飽きさせません。

kk
Via: jva

大開口の向かい側、南向きのエントランスの上にはせり出すような格好で小さな休憩スペースが作られました。15㎡と広くはないこの建物では、二階に上がる階段も本棚として活用されています。天井まで伸びたロープの手すりは天井の高さを強調して空間にのびやかさを。行灯風の照明は乳白色のあかりと丸みでやわらかさを演出し、直線的な空間の緊張感を和らげてくれるようです。

ImageGen tub-06
Via: designboom.com
ImageGen tub-08
Via: jva

温泉宿に逗留(とうりゅう)したり、高原の別荘まで足を運ばなくても、こんなに素敵な離れが目と鼻の先にあれば鬼に金棒。見た目は小舟みたいに小さいけれど、次々押し寄せる仕事や締め切りの荒波も、その小回りの良さでスイスイと渡っていけそうです。与えられた条件の中でたどり着いた最適解は、別荘のようにくつろげる15㎡の小さなオフィスとなって、今日もクライアントの仕事ぶりを見守ってくれています。

ImageGen tub-09
Via: jva
ImageGen tub-10
Via: jva

Via:
jva.no
nyinorgee.blogspot.jp
archdaily.com
designboom.com