気分はE.T. 自転車で宙を駆け上がるツリーハウス!「A Treehouse with a Bicycle Elevator」

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地上約9メートルの高さにあるツリーハウスの行き来は大変だ。重い資材を肩にかけ、何百回と往復したEthanは痛感した。はしごの上り下りは膝にくるし、第一退屈この上ない。そんな彼に友人は驚くような提案を持ちかける。自転車を漕いで上るエレベーターをツリーハウスに取りつけてはどうだろうかと。

懐かしのSF大作よろしく空中を自転車でスルスルと上っていくのは、アメリカ・アイダホ州のSandpoint郊外に住むEthan Schlussler。子供の頃から木登りが得意で、12歳の頃にはすでに実家近くに屋根と壁のない簡単なツリーハウスを建てていたという。

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E.T.用に前かごも完備? Via: slate.com

彼の育った小さな家は約3.4万㎡の広大な敷地の中にあり、周囲は香りの良い常緑樹や針葉樹、落葉樹の宝庫だ。Ethanが緑豊かなこの地に越してきたのは彼が8歳の時。アルファベットのAによく似た合掌造りの家には個室が二つあるのみで、彼が18歳を迎える頃には自分の寝室用にツリーハウスを建てることを夢見るようになった。

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大学を卒業後、地元で木の伐採や家のリノベーション、ゲスト用のキャビンなどを建築する会社に職を得たEthanは、家の薪割りを終えたある日、すっかり忘れかけていたツリーハウスへの情熱を思い出す。40歳や50歳になってからでは遅過ぎる。ツリーハウスを建てる時間も体力も、材料もそろった今がその時と、5年前の計画がここに再び息を吹き返した。

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Ethanがツリーハウスを設計するにあたり、実現したいことは二つあった。一つ目は木の幹にドリルで穴を開け、ボルトを差し込む従来の建て方をやめて別の方法を探ること。もう一つは完全オリジナルのユニークな「何か」を作り出すことだった。

その「何か」が母親の自転車を使った、おそらく世界ではじめての自転車エレベーターだ。自転車の使用を最初に提案したのはEthanの友人だった。彼の考えは木の幹の上を自転車で垂直に上るというアクロバティックなもの。しかし実際に作って操作することを考えると、自転車は水平に吊るのが現実的だとEthanは考えた。友人のアイディアと比べるとヤンチャ度は減ってしまうが、重力に逆らうように進む自転車はきっとクールに違いない。

Ethanが試行錯誤して作った自転車エレベーターが空高く舞い上がり、絶叫マシンのごとく一瞬で地上に降り立つ様子は圧巻の一言。You Tubeで公開されるやいなや、世界中から絶賛の嵐が巻き起こったのは言うまでもない。

ツリーハウスの完成から2年が過ぎた現在では、手すりのない(!)吊り橋でつながった二つのデッキと、実家近くのモミの木まで移動できるコースを含む、ジップライン※に使う3本のワイヤーロープが増設された。

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実家に帰らせて頂きます。Via: slate.com

ロッククライマーであり、自らをアドレナリンジャンキーと呼ぶEthanのツリーハウスは、将来的に貸別荘にすることも検討中という。その暁には、世界中からE.T.のぬいぐるみを抱えた人々が大挙して押し寄せる、シュールな光景が見られる、のかもしれない…。

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※木々の間に張られたワイヤーロープをプーリーと呼ばれる滑車を使って滑り降りるアクティビティ。

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