おもてなしの心を持つマイクロホテルが世界をつなぐ「ZOKU Amsterdam」
アムステルダムにあるマイクロホテル「ZOKU」は、なんとなく響きに親しみがある。と、思ったら日本語の「族」から名づけられた名前であった。
族とは同じ血統のもの、同じ性質の集団 などの意味を持つ言葉である。
そこはただ泊まる場所を提供するだけではない。「ZOKU」は人と人とをつなぐ絆、コミュニティの中心として存在する。人々が集まることによって生まれる様々な可能性を信じているからだ。個人を大切にしつつ、コミュニケーションの在り方をも追及していく姿勢がみられる。
最も小さな宿泊用の部屋は23㎡、最大で29㎡。その大きな特徴は、しっかりとした顧客サービスと仕事利用にも対応するビジネスホテル的役割を果たしながらも、スモールハウスのようなスペースの活用がなされているところ。ロフトにベッドがあり、階段はスライドさせて壁に収納できる。スモールハウスで上手にスペースを活用するためのテクニックだ。くつろぐスペースも十分あり、室内に設けられた吊り輪に遊び心をくすぐられる。長期滞在者も居心地良く過ごせるように、部屋で簡単な料理ができるキッチンも付いている。ハウスキーピングやランドリーサービスもあるので便利である。
宿泊用の部屋だけでなく、多目的スペースの貸し出しも始める予定で、仕事のミーティングに利用できるプロジェクターなどの機材のレンタルにも対応する。キッチン付きの部屋は少人数ならば料理教室やプライベートなパーティーにも使えそうだ。
共用ラウンジとカフェは開かれたコミュニティスペースで、ホテルを利用していない地元の人々も可能だ。コワーキングスペースのテーブルは卓球台にもなるので、仕事の打ち合わせ後に仲間と気分転換も楽しめる。インターネット環境はもちろん完備されている。
屋上ではハーブや野菜が育てられ、カフェで利用される。24時間営業のコンビニエンスストアの商品は利用客の声を常に取り入れ改善されていく、という顧客サービスの徹底ぶりにも感動だ。
スモールハウスに暮らしてみたいと考えているならば、まず手始めにこのホテルに滞在してみてはどうだろう?
部屋のスペースの使い方や、機能性を体験し、自分の求めるものを知るきっかけになりそうだ。共用スペースでのコミュニティライフも疑似体験できる。
まずはアムステルダムに2016年の春オープンし、世界の都市に続々とオープン予定とのこと。今後のZOKUに注目必至だ。
文=加藤聖子
Via:
livezoku.com
tinyhousetalk.com