すべての壁に独自の表情を。レッドシダーのプレハブハウス「The Kensington Residence」

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写真から見てとれる印象は、まるで木製のコンテナボックス。何を運ぶためのコンテナなのかと見まがってしまう。その正体はプレハブ住宅「The Kensington Residence」である。同じような外観の多いプレハブ住宅だが、シンプルながらも、木のぬくもりを感じさせてくれる。

建て方はコンテナを積み上げるようにして、三つのモジュール(組み立てユニット)をクレーンでつるしてひとつに組み上げた。それだけだと、画一的な仕様と外観のプレハブ住宅と変わらない。違いをもたらしてくれるのは、外壁の木材である。風雨に強いとされるレッドシダーを全面に使用。一枚ごとに色味の異なる木材を張り合わせたことで、すべての壁に独自の表情が生まれた。そして、アルミフレームの窓がアクセントになり、野暮ったさはみじんもない。モジュールの高さいっぱいに、スリット状に取り付けられた窓は二重になっており、断熱性も十分だ。

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木材をふんだんに使った外観からは、環境志向の強さが見て取れる。デッキに使われていた木材、断熱材などは、可能な限りのリサイクル材が使われている。加えて、シックハウス症候群の一要因として問題視されているVOC(揮発性有機化合物)の少ない塗料を使用するなど、環境に考慮して仕上げられている。

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屋内には、二つのベッドールームとリビングルーム。パイン材の床とオフホワイトの壁が室内を明るく保ちながらも、狭苦しさを感じさせない配色の工夫である。決して広くはない限られた空間を生かすために、ほとんどすべての部屋に、少なくとも一面以上は、クローゼットなどの隠し収納が設けられている。実用的な住まいに求められる収納能力においてもかなり優れているといえる。

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それぞれ違った表情を持つ木材をつなぎ合わせて誕生した自然のあたたかみが感じられる「The Kensington Residence」。見た目重視のプレハブのようにも見えるが、人間の健康、そして環境への配慮がなされた住まいの場だった。
プレハブだから、土地が確保できれば、クレーン車が即座に運んで来て、あっという間に組み立てられる。作りは簡単そうに見えて、実は、環境にやさしく、機能的。見た目以上に奥が深いのである。

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