”空飛ぶ部屋”を現実に、リフトで上空に上がるトレーラーハウス「La Caravan Dans Le Ciel」
空を見上げた時、突然キャンピングカーが浮いていたら、人はどんな反応をするかな?そんなイタズラ心を満たせるのが、フランス人アーティストのベネデット・バッファリーノ(Benedetto Bufalino)がクリエイトした「La Caravan Dans Le Ciel」(英語名:The Caravan of The Sky)、ずばり「空のトレーラー」なのだ。
キャンピングカーで旅することを夢見る人は多くても、ベネデットさんの夢は一風変わっていて、「木々を超え、雲に届くくらい空高くトレーラーを浮かしたい」というものだった。そしてそれをただの夢に終わらせず、カタチにしてしまうのがアーティストのクリエイティビティ。「空のトレーラー」プロジェクトが実現したとき、人々は突拍子もない場所で空に浮かぶトレーラーを目撃することになった。
ある時は、住宅街で。
またある時は、森の中で。その姿は、まるで未来型ツリーハウスのよう。
窓からもれる光が暗闇に映し出される様子は、日常を超越していてSF映画をも連想させる。しかしトレーラー自体が旧式デザインなので、不思議なノスタルジーを覚える人もいるかもしれない。
このトレーラーハウスを作ったベネデットさんは、本来は段ボールなどの素材を使用して、風刺のきいた芸術を生み出すのが持ち味のアーティスト。この「空のトレーラー」も、ただのトレーラーではないのだ。実は、そういう見かけをした「箱」なのである。
まずは、木の骨組みを外枠にして……。
薄い板を貼りつけていく。
最後に外側をペイントしたシンプルな仕様。内装は、がらんとしているそうだ。そして、空へ浮かせる仕組みは油圧式リフトを使っている。初めてこのことを知り「なーんだ」とがっかりする人もいるだろう。でも我々は、夢をかなえることを難しく考えすぎているのかもしれない。空にキャンピングカーやトレーラーを浮かせるなら、本物である必要はないのだ。ツリーハウスだって、シンプルな箱でいい場合もある。実際、ベネデットさんの「空のトレーラー」は、人が乗って上にあがることができる。
ベネデットさんのプロジェクトは、「夢は、もっとシンプルに叶えていいんだ」というメッセージなのかもしれない。
Via:
fastcodesign.com
autoevolution.com
designboom.com
benedettobufalino.com