大きさも形も自由自在!webサイトで自分好みのタイニーハウスを作る「Hermit house」
人々の好みは多様化した。大量生産ではモノは売れなくなり、多種多様な価値観に対応するために、供給側はそれぞれの市場に適した商品を生み出さなければ競争に勝つことができない時代になった。
そんな多様なニーズに対応するために、家づくりに「マス・カスタマイズ」と呼ばれる方法を取り入れた、オランダのユニークな企業を紹介したい。
「マス・カスタマイズ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
マス・カスタマイズとは、少数の材料の組み合わせによって、複数の商品のバリエーションを実現する方法のことを言う。例えば、ある自動車メーカーのAという車とBという車。見た目や内装などは全く違うが、車の骨格や目に見えない構造の大部分は同じモジュールを使用している。このように、ある特定のパーツを共用化し、それらを組み合わせることで多様な商品を生み出す仕組みのことを、マス・カスタマイズと呼んでいる。
逆の意味を表すのは「フル・カスタマイズ」で、周知の通り、利用者のニーズに合わせて商品を一から設計・製造することを指す。
マス・カスタマイズは、自動車の開発など、もの作りの現場で取り入れられてきた。車体の基礎となる骨格をいくつかに分け、モジュール化し再設計する。そうすることで、部品の種類を最小限にしつつ、多様な商品を生み出すことができるのだ。
こんな考え方を家づくりにも取り入れたのが、Hermit houseだ。
蛇腹の屋根が特徴的だが、この蛇腹屋根は、Hermit houseのマス・カスタマイズの考え方を体現したパーツで、組み合わせや数によって、家のデザインや設計がいくつもできあがる。
Hermit houseのWebサイトでは、簡単なツールを使って、建てたい家をデザインすることができる。入口の大きさや屋根の高さ、奥行きといったことがツールを使って自由に設計できるのだ。
オンラインで設計したHermit houseとは、一体どんなものなのだろうか?
扉は、大きく開かれ、三角の形が特徴的だ。蛇腹の屋根が作り出す、この家の特徴的なフォルムだと言える。小高い丘に建てられたHermit houseのモデルルームには、Hermit(隠者)という言葉の意味にふさわしく、隠れ家のような雰囲気も漂う。さらに、このモデルルームは約2日で建設されたものだというから驚きだ。
近い将来、Hermit houseが提供するツールによって、オンラインで自分自身の家を作り、建築キットや付属品を注文できるようになるという。Hermit Housesは、建築の世界にマス・カスタマイズという考えをもたらした、新しい取り組みなのだ。
計算しつくされたパーツの組み合わせで、パーソナライズされた商品を生み出すHermit Houses。今後さらに増える顧客のニーズに、応えるべく、彼らの研究は続いていきそうだ。
Via:
hermithouses.nl
archdaily.com
facebook.com/HermitHouses