隠れ家は扇形・那須・600万円・平屋
扇を広げたようなひと癖ある間取りにレンガ積みのファサード。53㎡の小さな平屋別荘は、皆と同じ物には満足できないこだわり派のあなたにおすすめだ。
エリア:栃木県那須郡那須町大字高久乙 価格:600万円
建物面積:16坪 敷地面積:119坪
間取り:2LDK
週末は扇形の隠れ家へ
東北自動車道那須インターチェンジから車で約20分。国内有数の大規模別荘である藤和那須ハイランドにその小さなビンテージ別荘はあった。
外に向かって閉じられたミステリアスな雰囲気のファサード。それとは対照的に、一歩室内に入ると大きな窓いっぱいに萌黄(もえぎ)色の林が飛び込んでくる。長距離ドライブで疲れた目と体に那須高原の緑は最高の癒しとなるだろう。
張り替えられた真っ白なクロスの壁と板張りの天井は熱帯地方のヴィラを思い起こさせる。
「仕事で忙しくて最後に海外に行ったのはいつだったろう…。」
あなたが多忙なビジネスパーソンだったとしても、嘆くのは少し早計かもしれない。飛行機に乗らずに東京から車で約3時間、そこにレンガ積の安らぎの別荘が新たな主の到着を今か今かと心待ちにしている。
滞在中はあえてノープランで
週末や長期休暇に別荘滞在というと、あれもこれもとつい予定を詰め込んでしまいがち。だがここはあえて予定を決めず、遅く起きてのんびりと近郊の温泉にでかけ、戻ってからバーベキューだけの「なんにもない」休日をおすすめする。
せっかく遠くから来たんだからできるだけ外には出たくない、そんな「別荘ではとことん自堕落派」には初期投資は必要になるが別荘に温泉を引き込むのはいかがだろう?まわりを気にせず湯船につかり、日頃の疲れをさっぱりと洗い流せるのは自宅温泉ならではの贅沢だ。
夕方からは地元の新鮮な野菜と肉、いつものビールで乾杯するスローなバーベキュータイムがスタート。虫の音と、カエルの鳴き声と、真っ赤な炭の弾ける音と…。
オンタイムの世界は複雑で気ぜわしい。だがここでは物事がとてもシンプルだ。静かな高原の別荘で自分と向き合っていると、目の前でジュッと音をたてて滴り落ちる肉の油のように、仕事の悩みもいつの間にか溶けてなくなってしまうのかもしれない。
1976年に建てられた築40年近くの物件だが、建物の要である基礎もしっかりとしており、扇形の間取り、レンガのファサードなど今見ても斬新な造りである。建物全体から醸し出される落ち着いた雰囲気は個人や夫婦の別荘、アトリエなどの用途に最適だろう。