ブラジル南東部の緑深い森の中に、現地の人に「Arca」と呼ばれるゲストハウスがある。Arcaは日本語で「箱舟」を意味する言葉で、ノアの箱舟のように、この建物に訪れる人々を別世界に連れて行ってくれそうだ。

これが、「Arca」の全貌だ。かまぼこ型した銀色の建物がなんとも風景とミスマッチで、一瞬たじろいでしまうかもしれない。「箱舟」というよりも、宇宙船と言った方が近いのではないだろうか。

しかし一度中に入るとユーカリ素材の床や壁に囲まれ、急にあたたかみを感じさせる雰囲気になる。再び別の世界に運ばれてしまったようだ。

ガルバリュウム素材の屋根が作り出す半円ドームの中に、木材でキャビンを設置しバスルームと2つの寝室というプライベートスペースを作り出している。開放的なオープンスペースでのびのび過ごしてもいいし、プライベートな個室で一人の時間を楽しむこともできる。更に、はしごでキャビンの上に上がれるのでロフトとしても使え、無駄なスペースがない。

さらに、このガルバリュウムの屋根には支柱がない。半円形の構造を利用し、自重と両サイドの窓枠（兼スライドドア）で屋根を支えているのだ。シンプルな構造の建物なので、アーチ部分は一週間で組み上がったと建築家は語っている。しかも別の場所への建て替えも容易なので、作業にかかる時間と手間もスリム化できる優れものなのだ。

家族連れはもちろん、クリエイティブな仕事をしている人々の隠れ家的作業場としてもおすすめだという建築家の言葉は大いに頷ける。こんなところでミーティングや作業をしたら、普段は思いつかないアイディアやインスピレーションに恵まれそうではないか。何かに行き詰まったら、ぜひこの家を思い出したい。

Via:
smallhousebliss.com
markobrajovic.com