デジタルデトックスは仕組みづくりから!デジタル時代のティーハウス
オフラインとオンラインの領域の差は、急速になくなりつつある。iPadやスマートフォンを常に持ち歩く私たちの生活は、いつだってオンラインだ。実際の本や新聞など読まなくとも、タブレットでいつでも自由に読み物ができるし、わからないことがあればGoogleが瞬時に回答をはじき出してくれる。SNSは頻繁にチェックするし、GPS搭載のデジタルマップなしで目的地に行くことなんて、想像もできないのではないだろうか。
少し立ち止まって思い出してみてほしい。外出先で携帯の充電が切れたときの、異様ないらだちと何もできない焦り。パソコンを持ち込んだ先のカフェにWifiがないときの、無力感。気づけば勝手に親指が動いてFacebookアプリをタップする・・・・・・そんなあなた(と私)のために、これからのデジタルデトックスの話をしよう。
デジタルデトックスとは結局何か?
ダイエットなど健康面の文脈で頻繁に使われるデトックス。体内に溜まった毒物を排出させることが目的である。デジタルデトックスとはその名の通り、デジタル環境がもたらす負の側面をデトックスするために、ネットやスマホから少し離れる習慣を取り入れようというものだ。
ネットの存在を悪者扱いしているわけではない。ネットが一切ない生活なんて非現実的だし、ネットがなければこの「未来住まい方会議」の記事だってそもそも読めない。要は、依存状態から脱却し、ネットと「健康的な関係」を築くことで、さらによりよい生活をしよう、ということだ。 例えば、iPhoneを持たずに週末にハイキングに出かける、日曜日はSNSをチェックしない・・・・・・など、デジタルデトックスの手法はさまざまある。それでも「苦行」だと感じるかもしれない。それならタイニーハウスを活用してみてはどうだろうか。
タイニーハウスはデジタルデトックスに最適?
これまで「未来住まい方会議」で紹介してきたタイニーハウスたちはデジタルデトックスに最適だ。「デトックスをしよう!」と思い立っても、スマホがすぐ近くにあれば手はうずくし、すべてを置き去りにして電波のない山の中に長期間逃走するのも、現実的に難しい。だからこそ、コンパクトで手軽なタイニーハウスは、ちょっとした休憩や瞑想にふらりと立ち寄れる感じが嬉しい。
例えば、以前「国境を越え新しい形へと生まれ変わった茶室/Teahouse in the garden」を紹介した。チェコの建築家によって、チェコのプラハに建てられた小さくてモダンな日本茶室だ。外観から想像がつくだろうが、もちろんWifiが完備されているわけがない。充電プラグもないからノートパソコンを持ち込んでもバッテリーはすぐ切れてしまう。だからこそ、読書や瞑想をするのに余計な妨げが一切なく、割り切って空間を楽しむことができるのだ。
「空間そのものが楽しい」ことも、タイニーハウスがデジタルデトックスに向いている理由のひとつだ。「デジタルデトックスゾーン」なんていう、オフライン空間の意図的な設置があちこちで行われているが、なにもない殺伐とした場所でデトックスなんかしたら逆効果だ。重要なのは、自撮りしてSNSにアップしてタブレットでちょっと調べ物・・・・・・なんてことをしなくても、時間ってこんなに楽しく過ごせる!ということを再発見することなのだ。
その点、このティーハウスはこんな可愛らしい茶室が庭にあったなら・・・・・・と妄想してしまうようなわくわくするデザインではないだろうか?スマートフォンに手を伸ばさなくても、充実した時間を提供してくれそうな空間だ。
組み立て式「Zen Zone」キットも!
というわけで、何口にも美味しいタイニーハウス。特に小さな日本茶室は、海外でも密かにブームになっている。禅や瞑想もクリエイティブ層を中心に話題となる今、日本の茶室もどき(?)のタイニーハウスは全世界に出没中だ。 そんなトレンドに答えた、「Zen Zone(禅の空間)」キットもある。数時間で、何処にでも気軽に畳二枚分の空間を組み立てられてしまうこちらのキット、庭にひとつ置いてみてはいかがだろうか。
似たような発想で、日本の茶室を庭に作っているアメリカのデザイン会社Miriam’s River House Designsもある。ディテールにこだわって作られる小さな小さな空間は、ちょっと気持ちを静めたいときに足を運ぶのに最適だ。こちらのティーハウスは装飾や風水などシンボリックな意味にこだわって作られているが、ここまで立派にしなくても、小さな避難所はいつでもどこにでも作ることができる。
以上、タイニーハウスを使ったデジタルデトックスというアイデアについて紹介してきた。デジタル環境がもたらす負の側面をデトックスするために、ネットやスマホから少し離れる習慣づくりは重要だが、そのための仕組みがなければなかなか始める気にもならない。そして、デトックスといえど楽しくなければ続かない。
そこで、人生の雑音から解放できる空間としてタイニーハウスができることは多い、ともう一度強調したい。デジタルに限ったことではなく、不必要なものをそぎ落としたミニマルな生き方を提案してくれるタイニーハウス。今回紹介したティーハウスのように、そこにいるだけでわくわくする空間を、あなたも試してみてはいかがだろうか。
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