欧州スロバキアの環境にやさしいウッドブロックの家「WOODEN BRICK HOUSE」
白い壁に、すのこ状のウッドパネル。日本人から見てもどことなく懐かしさを感じさせるこの家は、遠く中央ヨーロッパのスロバキアに建っている。それだけでも驚くが、この家はとある変わった製法で建築されたのだという。
この美しい家は、スロヴァキアの建築家Jaro Krobot氏によって設計された。
平屋建てで、総床面積は69.2㎡。広々としたダイニングキッチンと、バスルームを挟んだ反対側にあるリビングスペースは扉で区切られていないので開放感がある。三角屋根を生かした高い天井も、圧迫感を覚えないので広さを感じさせる。
温かみのある部屋の壁は、トウヒ(唐檜)というマツ科の木材の木目を生かしている。実はこの四角いパネルを貼り付けたような木の壁が、この家の製法のヒントをくれているのだ。
この家は、木製のブロックを組み上げてできている。STEKOブロックというスイスで開発された建築方法だ。ブロックのサイズは最大64✕32✕16 cmで、もっと小さいサイズもつくれるという。
この製法の利点は、ブロックが軽いので人の手で運べるということ。組み上げにも特別な機器は不要で、3日あれば家を作り上げられるという。予算にも環境にも優しい夢のような建材だ。
しかもブロックは中空構造なので、中の空気が断熱材となり冬は暖かく、夏は涼しく室温を保てるという優れもの。接合のための接着剤も不要だというので、シックハウス症候群の心配も軽減するかもしれない。
外見が美しいばかりではなく、環境にも人にも優しいSTEKOブロックの家。木の香りに包まれての生活は、きっと爽やかな毎日になることだろう。