古いものはとことん利用せよ!スペイン発のすごいリノベ図書館「Escuelas Pías」

via: The Kent State Form of The City

古い建物を昔の姿のまま残すのもいいけれど、現代の生活に合わせたデザインを加えて、誰もが日常的に足を運びたくなるような場所にしたい。前回、築100年の教会がコミュニティスペースに変身したデンマークの「Absalons Kirke」を紹介したが、今回はスペインから、あっと驚くリノベーション例を紹介しよう。

図書館に大変身した、マドリードの教会

via: The Kent State Form of The City

スペインの首都マドリード。古くから労働者階級のエリアであるLavapiésに、今回紹介するEscuelas Píasは建つ。外から眺めると、廃墟そのものだ。赤いレンガはところどころ朽ちかけ、中心にあるドームにはもはや使われていない窓がぽっかりと空く。しかし、道路から中をのぞきこめば、なかなかおしゃれな空間で勉強に励む学生がガラス越しに見えるではないか。

Escuelas Píasがリノベーションの後オープンしたのは2004年。教会の廃墟を、廃墟の雰囲気を保ったままモダンにアップデートさせた。「廃墟図書館」というのが正しい表現かもしれない。

via: Designboom

デザイン上の大きな特徴は、木材をたっぷり使用したアーチ型の天井。崩れた元の建物を補強しつつ、教会ならではの奥行きを演出する。大きく開いた窓からは太陽光が注ぎ込み、ロウソクのような趣のあるランプがミステリアスな影を作る。

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日本でも活用できるリノベーションスピリット

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教会のリノベーションだとはいえ、日本の事例のお手本にならないわけではない。「歴史のある建物をどう保存するか」はこれからの未来を考える上で全国に共通する大きなテーマだ。原型もわからない程作りかえるか、古い構造とモダンな要素を上手く融合させるか、そのままの姿のまま、残すか。さまざまな手法や用途が考えられるだろう。

ただ、せっかく良い建物があるのなら、誰もが自由に足を運べるコミュニティセンターや図書館で「皆」の力でそれを長く使い継いでいきたいものだ。建物は使われることによって生を受ける。そんな意味で、Escuelas Píasは外観は廃墟のままでも、今でも現役のビルディングと言えるのではないだろうか。

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