那須高原ミーツブルックリン・700万円・5LDK
緑色の屋根からドーマー窓が二つ覗く白い家は、牧場が点在する那須岳の麓のロケーションによく馴染む。内部は思わず「集合!」と点呼してしまいそうな広いLDKと、表しになった屋根裏のスペースに想像力が掻き立てられる。
エリア:栃木県那須郡那須町大字湯本 価格:700万円
建物面積:99.99坪 敷地面積:195.69坪
間取り:5LDK
ワンルームで暮らす、ブルックリンのロフト的空間
最近まで個人の住まいとして使用されてきた家だが、それ以前は寮として使われていたそうだ。鉄骨造の三階建てで、主な居住スペースであるLDKは二階に位置している。
このLDK、とにかく広い!の一言に尽きる。だだっ広いフローリングの空間は、LDKというよりもどこか体育館やブルックリンのロフト風。鉄骨造ならではの壁際のブレースがイカしている。このように横に長くて広い物件は、その広さを活かしたワンルーム空間として贅沢に使ってみたい。
スペースは十分すぎるほどにあるので、LDKにベッドとソファー、ダイニングセットを置くぐらいで丁度いいだろう。狭い部屋では絶対にありえないが、部屋のまん中に本棚をあえて配置し、ワンルームをゆるく仕切るのも空間に奥行きができ、より一層印象深い部屋となる。
屋根裏をアトリエに、リビングの一角をギャラリーに?職住一体の家もアリ
先ほどのLDKは実は引き戸でさらに広い空間へと拡張する。あまり広すぎるのも落ち着かないとあれば、引き戸の手前側をオフィスやギャラリースペースに、奥のLDKをプライベートスペースにとハッキリ用途を分けるのが良いだろう。手前のスペースは玄関に近いので、パブリックスペースとしての利用に最適だ。
三階にあたる屋根裏は構造が表しになっており、そのラフな雰囲気が独特の魅力を放っている。無造作に置かれたトルソーが絵になるのも、この空間のなせる技だ。たとえば柱で区切られた両端のスペースをパーテーションとして考え、スペースごとに趣向を変えて作品をディスプレイしたり、シェアアトリエとして地元や田舎暮らしに興味のあるアーティストたちに貸し出してもいいかもしれない。
屋根裏はアトリエに、二階の一部はギャラリースペースに、そして溢れる資材は一階の物置に。住むだけの家や別荘には広すぎると感じるが、職住一体の家を求めるアーティストの家やシェア物件としては何とも魅力的な空間なのではないだろうか。
かつて寮だった頃の名残で、厨房や浴室、トイレのある一階(地下)は現在は物置として使用されている。二階に浴室、洗面所、トイレと基本的な水回りは揃っているので、普通に生活する分には二階だけで事足りるが、一階も居住スペースとする場合はリフォームが必要になるだろう。