湖に浮かぶ白いドームハウス「Indy Island」とそこに6週間住んだ女性のお話

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アメリカの五大湖地域に属するインディアナ州にある、インディアナポリス美術館(Indianapolis Museum of Art)。歴史・規模ともにアメリカで10本の指に入ると言われる美術館だ。その美術館から目と鼻の先にある湖には、湖面に浮かぶ白い山が見られるという。水上かまくらのようなこの白いかたまり、実は人が住めるドームハウスなのだ。

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このドームハウス「インディ・アイランド」(Indy Island)をプロデュースしたのは建築家ではなく、現代アートの芸術家・アンドレア・ツィッテル(Andrea Zittel)さん。美しい森を背景にぽっかりと湖に浮かぶ白いドームは、壮大な芸術作品なのだ。ちなみに、手漕ぎボートが岸から家までの唯一の交通手段だ。

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屋根と壁にグラスファイバー(繊維状のガラス素材)を使っているこのドームハウス、床は板張りで直径約6m(20フィート)の円形をしている。

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ただ美しいだけではなく、この家には住むことができる。けれど常に人がいる訳ではなく、毎年夏に1人ないしは2人の居住者を受け入れているという。

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2010年のプロジェクト発足から1年後、インディ・アイランドにとって2回目の夏に住んだ女性キャサリン・ボールさん(Katherine Ball)は、彼女の約6週間にわたる島での生活をブログに書き留めている(居住期間は2011年8月12日から9月25日まで)。

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環境問題とアートに精通している彼女は、生活排水を極力抑えるために、調理スペースを使わずに食事はなるべくインディアナポリス美術館のカフェで済ませていたという。それでも歯磨きや洗顔などで出る排水を浄化するため、植物を利用した天然フィルターまで作ってしまったというから驚きだ。それまでは森に生活排水を捨てていたが、その手間も省け環境負荷を減らすことができた。ちなみに、トイレはもちろんコンポストタイプだ。

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部屋の中に、植物の浄化装置がグリーンのアクセントを加えている。アーティストのアンドレアさんが創り上げた時点が完成形ではなく、住人によって進化させることができるのがこの家の魅力だ。

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さらにキャサリンさんは、「mycoboom」と名付けたワラやキノコの菌糸を内蔵した麻袋をいくつもドームハウスに繋げ、湖に浮かべるプロジェクトも行った。この袋が水中の大腸菌、農薬、重金属のような毒素をろ過することができるのだとか。湖に浮かぶ佇まいが美しいだけではなく、水を浄化する家にも進化をとげたのだ。

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現代人の生活スタイルは自然に負荷を与えがちだが、このインディ・アイランドとキャサリンさんのようにできる範囲から変化を起こしていきたいものだ。

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