ビジネス街の中心にこんな小屋はいかが?「木の小屋 in Design Touch 2015」
「都会の喧騒とした生活スタイルから逃れたい」―そんな現代人なら誰でも等しく持っている要望に応えるため、無印良品のデザイナーとして有名な深澤直人氏が「デザインタッチ2015」というイベントの一環として展示物を出した。といってもそれは家なのだが。
テーマは「洗練されたシンプルさ」。休暇用の別荘ではないが、キャンプに行くほどシンプルではない、まさにスモールハウスにふさわしい家だ。
世界を代表するビジネス都市、東京・六本木の中心にあるこの家は、機能性を追求した高層ビル群と対局を成す。ダークティンバーで覆われた外壁とギザギザの屋根、外観は確かにシンプルかつコンパクトそのもの。長方形のフォルムは平和さを想起させる。これは深澤氏の幼少期の思い出からくるものだ。モダンなのにどこか懐かしい雰囲気を醸す。
設備はキッチン、洗面所、大きなリビングルームのみ。ティンバーの床と壁のおかげであたたかみを感じる大きなスライドの窓は、自然光を取り入れることを可能にし、室内外を行き来しやすくしている。小さな暖炉は木と共に生きていることを象徴付ける大切なトレードマークだ。
都心という立地にあるからこそ、ミニマルでスローな暮らしとマキシマムでクイックな暮らしを簡単に行き来できる。どちらも犠牲にはしたくない人にはベストなスモールハウスだ。