アムステルダムの運河で暮らす、築100年以上のハウスボート「The Charlotte Johanna」
特集コラムでも紹介しているように、オランダでは船を改造した家「ハウスボート」で暮らすことは人々の憧れ。このアムステルダムのハウスボート「シャーロット・ヨハンナ号」(The Charlotte Johanna)は100年以上前の1908年に造船され、輸送貨物船として活躍した後に今では人々の暮らしを乗せる船として活躍している。
前方から見ると、今でも立派な船にしか見えない。けれどデッキスペースにパラソルが立ち、デッキチェアが置かれていることから、ここがテラスとして使われていることが感じ取れる。
船の入り口へは地上からしっかりとタラップが渡され、植物のアーチが普通の家の玄関の様に演出をしている。
船内に入ると、かつて操縦室だったラウンジが出迎えてくれる。船員たちが周囲の様子をしっかり見て取れるように窓が配置されたので、見晴らしは今でも最高だ。テーブルに舵が残されているのもハウスボートならではの粋な演出。
入り口からラウンジを抜けて半地下へ降りると、かつては貨物室として使われていたメインの生活スペースが。リビング・ダイニングキッチンとシャワーブースがこのエリアに揃っている。水面との兼ね合いから横の窓は小さいが、それを補って有り余るほどの光が天窓から降り注いでくる。空が仰げるので、圧迫感を覚えずにくつろぐことができるだろう。ちなみにこの天窓は、かつて貨物室の積み荷を出し入れした搬出入口を再利用しているという。
キッチンスペースには、船内にもかかわらず、5口のガスコンロを設置。換気扇もしっかり完備されているので、臭いや換気を気にせずに調理に専念できそうなのも良い。食事は毎日のことなので制限があると生活者のストレスになるが、この「シャーロット・ヨハンナ号」ではそれも心配なさそうだ。
そして、キッチンの横にはバスルームも。通常の家にある設備は、ほとんどがこのハウスボートには備えられていると言えそうだ。
そしてリビングスペースの奥には、ダブルベッドを置けるほどの寝室もある。
階上のラウンジから続くスペースにも寝室があるので、家族で住むことも可能だ。自宅がハウスボートだなんて、子どもにとっても素晴らしい経験ではないだろうか。
船上生活の不自由さを全く感じさせない「シャーロット・ヨハンナ号」には、Airbnbで宿泊することもできる。こんなところに宿泊できたら、アムステルダムならではの思い出になるだろう。