シンプルな長方形の家で心穏やかなひとときを。NY北部にあるゲストハウス
見渡す限り何もない草原や大海原をみていると心が落ち着いてくることってありませんか? そんな体験ができるゲストハウスが建てられました。
そのゲストハウスは、マンハッタンからハドソン川沿いに、車で北へ向かい、約1時間で行くことができるハドソン・バレーにあります。アメリカのワイナリーの発祥の地でもあり、いにしえの大富豪がその邸宅を建てた地域。今もその牧歌的な景色は保たれており、ニューヨーカーたちが週末の安らぎを得ることができる自然にあふれた場所です。
このゲストハウスを建てたのは、マンハッタンで活躍する建築家Janson GoldsteinとそのパートナーであるHal Goldstein。彼らは、この郊外に既に建築されていた邸宅よりもすばらしい建物をつくろうと意気込んでこのゲストハウスを建てたわけではありませんでした。彼らの頭の中に自然に浮かんできたシンプルで明確なデザインで建てたのです。
邸宅の北東に位置するこのゲストハウスは、チャコール色に塗られた縦型の杉板とコンクリートでつくられています。中央の透明な部分は屋根付きの通路。通路の脇の壁は全面窓になっているため、ここを通るたびに建物の周囲の牧草地のなかにいるような気分になります。
この屋根付き通路は実はリビングとしても使われるほか、建物の端にあるベッドルームと反対側の端にあるジムとを分ける役割も果たしています。
ベットルームとジムにもそれぞれ東側に外の景色を見るための窓が設置されています。
ゲストハウスの玄関は南西部分に配置。長方形の建物を切り込み、フレームのみ残しています。このフレームは、外壁がシンプルな直線であることをより強調する効果も演出しています。外にある開放的な玄関として意図した設計のため、自然を感じながら屋外から屋内へスムースに滞在者が移行できるのもポイントです。
フラットな屋根は、EPDMゴムでできており、防音効果も十分。欄干状に屋上にめぐらせた濃い胴色の壁が建物の重厚感を醸し出しています。
幾何学的でシンプルな自然を感じることができる素敵なゲストハウス。こんな家で週末を過ごしたら、本当に自分が大切なものは何かがわかるかもしれません。