旅をしよう、仕事もしよう
バックパックひとつで世界中を旅して回る「バックパッカー」と「ワーキング(仕事をする事)」を組み合わせると、バックパッカーワーキング、という言葉になります。
ちょうど1年ほど前になるでしょうか、この時はアフリカ大陸の北西に位置する国、モロッコのマラケシュに滞在していました。
日本から遠く離れたゲストハウスの屋上で、僕はパソコンとにらめっこしながら仕事中。
作業の合間に、近所に住む野良猫がやってきて、ご飯をねだっていきます。
その時僕は、ユーラシア大陸横断の旅をしていました。
折り畳み自転車を片手に、中国からネパール、インド、トルコ、ヨーロッパにアフリカ北部を旅した8ヶ月間。
旅先で撮った写真と、そこで起こったエピソードをもとに記事を書くのが当時の僕のささやかな仕事で、こうして旅先で書いた文章は日本にいるスポンサーの企業さんと、出版社の編集者さんに送っていました。
報酬は数ヶ月に一度の原稿料と、物品の提供。
仕事と呼ぶにはあまりに微々たる収入でしたが、僕は旅をしながら仕事をしていたのです。
バックパッカーワーキングという生活
「バックパッカーワーキング」というのは「旅をする、仕事もする。」生活のこと。
流行りのノマドワーキングほど、がっつり仕事はしないけど、旅を楽しみながら、収入も得て、帰国後のキャリアになる仕事をする事です。
「旅をする事」と「仕事をする事」は相性が悪く、両立できる職種はごく一部に限られていたと思います。
しかし、今日ではインターネットの恩恵で、オフィスワークに似た仕事も場所に縛られず出来るようになりました。
同じように、旅をしながら仕事をしていたのがトルコのゲストハウスで出会った日本人の男性です。
彼はフリーのデザイナーをしていて、日本の企業を相手に仕事をしていました。
取引先とのミーティングはスカイプ、様々な書類のやりとりはメールで、商品の納品はDrop Boxで行っているそうです。
そんな彼と、作業の合間に彼と話して生まれたのが、冒頭で話した「バックパッカーワーキング」という言葉です。
世界中のネット環境は快適なものになりつつあります。
インド、ネパール、エジプト、モロッコなどネット環境が悪そうな国でもyoutubeが見れるくらいの回線速度は確保されていましたし、wifi付きのゲストハウスやカフェは探せばたいてい見つかりました。
wifiが無くてもガイドブックに載っている町ならインターネットカフェは必ず存在します。
加えて、海外のたいていの国は物価が安く、日本で暮らすより生活費が安く済みます。
安い場所だと日本の3分の1程度の国も有るぐらいです。
海外で旅をしながらできる仕事は、日本の仕事に比べると収入が減りますが、物価の安い国では同時に支出も減るので、さほど問題はありませんでした。
生き方のオプション
これを読んでいる方々の中にも、旅が好きな人は多いと思います。できたら長期の旅行をしたいという願望を持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、多くの人にとって仕事を辞めるのは、すごーくリスクの有る事だろうと思います。
かく言う自分も仕事を辞めて長期間旅をするリスクは感じていますし、みんながみんな仕事を辞めて旅に出たら良いとも思っていません。
あくまで「バックパッカーワーキング」は、生き方のオプションとして捉えてくれたら良いかなぁと思ってこれを書いています。
それは遊びであり、営みであり、実験でもあります。上手くいくかどうかも分かりませんが、それでもいいと思います。
それぐらいの含みや余裕が無いと、息苦しくなってしまいます。
旅先でできる仕事の種類、仕事のしやすい国、日本での準備のやり方などなど、話したい事がたくさん有ります。
これから数回に分けて記事を更新していく予定です。
だれでも、すぐに、簡単に、とは言い切れないの事ですが、これから書いていく事に対して、「こういう事してた人がいるんだなぁ。」ぐらいに思って読んでくださったら嬉しいです。
これから少しの間、どうぞよろしくお願いいたします。