家が持つストーリーと共に生きる。アラバマのリノベーション住宅
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ここはアメリカ合衆国のアラバマ州のAuburnという街。アートデザイナー兼ランドスケープデザイナーのデイビット・ヒルは、バージニア州からこの土地に子ども3人と妻を引き連れて引っ越して来た。
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そしてここが彼の住処だ。古びた赤レンガの建物は古い工場や倉庫を彷彿とさせる。外は古びているように見えるが、中は古さと新しさが融合したモダンな雰囲気に満ち溢れている。
もともとは1920年に建てられたこの建物。あるときは教会として、またあるときは床屋として、ときにリサイクルセンターとして、レストランとして、タクシーの工場として、そしてビリヤード場として使われた。このようなたくさんのヒストリーを持つ家だということを、この家のリノベーションの最中に近所の人たちに教えてもらったのだそうだ。そして、この家が持つ歴史を残したいと考えた彼は、家の至るところにそのストーリーを表現していったのだ。
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リビングの床は木製、壁がレンガ、広々とした空間に、無数のランプとファンがぶら下がり、奥には光り輝くシステムキッチンが見える。天井のタイルは昔使われていたものとできる限り同じようなものを探し回って貼り付けたそうだ。
0.5トンもある黒い鉄の大きな壁からは昔タクシーが出入りしていたことが想像できる。この扉を閉めることによって「子どものための空間」と「大人の空間」を分けているのだという。
天井についているファンもそのまま採用している。エアコン代も節約できるのはもちろんのことだが、インテリアとしても非常にカッコいい。
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内装も壁に古びた「カフェ」の看板が。ここで作られる料理は、まるでレストランの料理のような出来栄えになるに違いない。
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椅子などもアンティークショップで集めたものではなく、その場にあった古びた椅子をそのまま使用しているのだという。
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このレンガの壁も昔のまま。ダメージ加工をしたとしても、この味わいを出すのはなかなか難しい。
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ここは子どもの勉強部屋。どこの時代からか受け継がれた黒板がそのまま使われている。勉強もはかどりそうだ。
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家の前には植物のいっぱい植えてある庭もあり、リラックスできるスペースとなっている。
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まだ使えるのであれば、歴史ある建築物を無理をしない範囲でリノベーションしていくことは社会的にも大切な行為といえる。ストーリーとともに生きることで、そのストーリーの新たな紡ぎ手となることができ、自らの人生に新たな意味が見出せるかもしれない。きっとそれだけで、人生そのものがより豊かになるに違いない。