まるで巨大な空中建築。仲間で作ったツリーハウス

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ツリーハウスで遊ぶというのは、子供だけでなく多くの大人をわくわくさせる。木の上に家が建っていたり、木が家を貫いているのを見ると、それだけで非日常感を味わえるし、自然との一体感を感じさせてくれる。上の写真を見てみてほしい。3人が話しながらリラックスしている様子だが、よく見ると、右側の木が床と窓を貫いている。さらに床には木の丸太部分が見えるところがあり、まるで床で切られたようになっている。

この家はウィスコンシン州のシュガークリークという町に住むTereasa SurrattとDavid HernandezがWandawegaキャンプ場に建てたツリーハウスだ。このツリーハウスが建てられるまでのストーリーを紹介しよう。

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話は一本の木から始まる。SurrattとHernandezはWandawegaの土地を7年前に購入した。その土地に生えていた一本の美しいニレの木に、Surrattの父が洗礼を施した。だが、その時父は病を患っており、それから1年半経って亡くなってしまった。

さらに、父が洗礼を施したニレの木も重い病気にかかっていることがわかった。Surrattはとてもがっかりしたが、その木を切り倒す気には到底なれず、なんとか生かしたいと強く思っていた。幸いにも、ニレの木の枝の部分は病気で死んでしまっているが、幹の部分はまだ強く生きているということがわかった。これを聞いた2人は、木を切り倒さずに生かして、いつかそのニレの木でツリーハウスを作ろうという話をするようになっていた。

それから時が経ち、SurrattとHernandezはキャンプ場の整備とアクティビティの企画を練っていた。さらに彼らはWest Townに自分達の家を建てているところだった。

近所には、家具やアンティーク品を取り扱う店のオーナーであり、Surrattの友人のAngela Finney-Hoffmanが住んでいた。SurrattとAngelaがWandawegaの土地について話をしていると、Angelaが”大人のアートキャンプ場を開く”というアイデアを思いついた。

さらにツリーハウスについても提案。Surrattはとてもわくわくし、そのアイデアを実行することにした。

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まずSurrattがツリーハウスプロジェクトの為の木を選んでもらう為に、Shaun Owens-AgaseとTyler Petersonを呼ぶことにした。2人はStone Blitzerという工房で、家具のデザインから製作まで行うチームとして活動していた。

はじめは立派で健康的な木が選ばれたが、Surrattが父の思い出の木の話をすると、2人は方針を変更、最終的に思い出のニレの木を選んだ。AngelaはBladon ConnerとSteven Teichelman、他にも腕の良い大工を呼んでくれた。全員でツリーハウスの計画を練っていく。

「誰もが私が考えているツリーハウスより、100倍も大きくて精巧なものをイメージしていたわ。私が考えていたのは子供用の小さなものだったの。彼らは空中に浮かぶ城のような巨大なものをイメージしていたわ」とSurrattは言う。

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最終的に3階建てのツリーハウスにすることになった。3ヶ所で床を木が貫くようにし、2ヶ所の太い枝の部分は床と同じ高さで切ることにした。残りの1ヶ所の太い枝は床と窓を突き抜けるようにした。

丸天井の上から建物の下までの高さは16フィート。はしごで2つのロフト(寝室)に行けるようにし、ロフト部分はリビングの上の前後に設けた。

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彼らは仕事の合間の週末に来て作業を行い、時には15時間作業したことも。建物が完成するまでには約1年もの時間がかかった。

建物の材料には新しい2×4材だけでなく、さまざまなものを使った。例えば窓はヴィンテージ物、多くの木材は再利用材や昔農場だった所からもらったもの、残りは解体されたシカゴバンガローの廃材を使用。

建物が完成し、インテリアなどの装飾部分に入ると、SurrattとAngelaが活躍した。色や形は控えめだが、居心地が良くなるようなものを選ぶようにした。シンボルツリーのニレの木を引き立たせる為、室内の色は淡い黄色やグレーなどで統一した。

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Surrattはツリーハウスプロジェクトを振り返り、こう話した。「何の見返りも求めずにみんなが集まって、宙に浮かぶ家を建てるなんて話、他で聞いたことがないわ。彼らは腕の良いビルダーというだけでなく、素晴らしい想像力に溢れたデザイナーでもあるの」

巨大な宙に浮かぶツリーハウスは見る者を誰でも虜にしてしまう。この建物は現在、キャンプ場のシンボルとして活躍している。父から娘へ受け継がれた木は多くの人の心を動かし、人が集う場となった。きっとこれからも訪れる人を楽しませ続けてくれるだろう。

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