旅行先で美しい景色を見て、そのまま、そこに泊まってしまいたいと考えたことはないだろうか。でも周りにホテルもコンビニもないから無理…と諦めてしまうかもしれない。だが、もしキャンピングトレーラーさえあれば、あなたは「外の美しい景色」と「快適な生活空間」の両方を手に入れられるのだ。

キャンピングトレーラーとは、箱型の居室にベッド、キッチン、トイレ、シャワーなど、生活するのに十分な設備を備えた「移動する家」のことだ。今回はその中でも一際個性的、かつラグジュアリーなキャンピングトレーラーを紹介したい。

まずは上の写真を見てほしい。鏡のようなアルミニウムボディの輝き、丸みを帯びた美しい流線形、このトレーラーを見て憧れる人は多いだろう。これは８０年程前に作られた「Bowlus Road Chief」というトレーラーを、現代版に蘇らせた”New” Bowlus Road Chiefである。この「現代版Bowlus Road Chief」を復活させたのは、John LongとHelena Mitchellという夫婦である。

オリジナルのBowlus Road Chiefは、デザイナーであり、エンジニア、航空機とグライダーの設計者、Hawley Bowlusによって１９３０年代に作られたのが始まりである。彼はグライダーパイロットの訓練で、遠い場所へ彼らを移動させる為に、キャンピングトレーラーを作り始めた。航空機設計の知識を生かして、トレーラーの軽量化に成功した。

軽さと高度なエンジニアリング技術が革命的とされ、キャンピングトレーラーの製作を行う会社を立ち上げることとなる。しかし、第二次世界大戦の影響もあり、８０台のみ製作して会社は解散。（そのデザインの一部を受け継ぎ、Airstreamが誕生している。）

John LongとHelena Mitchellは、このBowlus Road Chiefの愛好家だったが、現代の生活に合わせたものにアップデートできないかと思い、トレーラーの権利と特許を購入。現代版の”New” Bowlus Road Chiefの製作を始めたそうだ。

Bowlus Road Chiefは、自由、技術、そして個性的なデザインが絶妙に表現されている。全てにおいて、品質、効率、重量を重視して選ばれたものばかりである。

まず、その特徴であるボディは、空気力学的に優れた曲線に設計され、外装に使用されているアルミパネルは全て手作業でカットされている。電力関係はソーラーパネル、耐久性があるバッテリー、またバッテリー量を調節できるドイツ製のコンプレッサーが取り付けられている。窓は自然光が取り入れられるように、半透明の天窓が付けられ、日中はライトが必要ない程、明るい。壁はポリスチレンで覆われていて、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができる。

キッチンのカウンターは全てステンレスを使用。冷蔵庫から電子レンジ、二口コンロも備えられていて、優雅な食事が楽しめそうだ。シャワーヘッドは非常口から外へ伸ばすことができ、屋外でシャワーを使用したり、スポーツ道具を洗ったりするのにも使用できる。バスルームのインテリアは、防水アルミシートとチーク材のデッキで美しく仕上げられている。

背の高いクローゼットや洗面用戸棚なども設置され、収納についてもよく考えられている。ソファやベッドの生地には、革よりも手触りが良く、汚れに強い最先端のものが採用されている。他にもWi-Fiや充電ステーションが備えられている。

Bowlus Road Chiefはヴィンテージな外観を持ちながらも、内装は最新機能が備わったトレーラーだ。まさに「移動する快適な家」である。キャンプ場で長期間滞在したり、静かな湖畔で週末を過ごすのに使用するのも良いかもしれない。このBowlus Road Chief は「Wired」「New York Times」「Modern Traveller」「Caravan Times」などの雑誌に２０１３年に公表され、ホームページで購入予約を受け付けている。価格は確かに高級ではあるが、「旅しながら暮らす」を実現するには最高の相棒となるトレーラーではないだろうか。

via:
http://www.ifitshipitshere.com
http://www.bowlusroadchief.com/
http://www.doityourselfrv.com