週末となると、楽しそうなイベントが目白押しだ。参加したいと思っても、場所が遠くて諦めたりすることはないだろうか。頑張って前日入りしたとしても、路上でずっと待つこともあるだろう。外は寒いし、足腰は痛い。長い行列にうんざりすることもあるかもしれない。だが、そんなあなたに朗報だ。このQTvanを連れていけば、今までのつらい思いとおさらばできる。

QTvanはモビリティスクーター（電動カート）で牽引できる、世界最小のキャンピングトレーラーだ。2m×75cmの長さのトレーラーの中には、テレビやベッド、お茶を入れられる程度の調理設備など、大人一人が生活できる設備が整う。Yannick Readによってデザインされ、イギリス人にとって関心が強い「queuing（行列）」「tea」「caravan」からQTvanと名付けられた。

このQTvanは、イギリスの自動車保険会社Environmental Transport Association社（ETA）がモビリティスクーターの保険の宣伝用に開発した。

もしあなたのモビリティスクーターが、途中で故障したり、バッテリー残量がなくなってしまったら、どうするだろうか。家まで自力で押していくか、大きなトラックを持っている友人に連絡をして助けてもらうなどの方法を取るしかないだろう。現に推定220,000人の利用者がそうしたトラブルの際に、長時間待たされているのだ。

近年イギリスで、モビリティスクーターの利用者は増えているが、故障してしまった時の対策が不十分だと感じ、ETA社は、一人用のトレーラーに着目したのだ。軽量のQTvanを後ろに牽引していれば、助けを待っている間にいつでも紅茶を楽しむことができる。なんともイギリスらしい考えだ。

また、QTvanは小旅行にも最適だ。家から遠く離れた所まで運転で行ければ、さらなる時間を確保できる。例えばロンドンから、人気のあるニューフォレストまでは2日間、ウィットビーまでは1週間で行くことができる。

5500ポンドで利用可能なQTvanには、フルサイズのベッドと19インチのテレビ、ラジオ、アラーム機能付の時計、本棚、紅茶セットとして使用できる調理器具が設備として付いている。240vのバッテリーを使用すれば、一回の充電で最高速6mph（時速約9.6kph）で30マイル走ることができる。

世界最小なので、そのままスーパーにも入っていける程だ。もし再生可能なエネルギーを選択すれば、キャラバンとスクーターを完全に、カーボンニュートラルな状態で使用でき、環境に優しいトレーラーでもあるのだ。屋根にソーラーパネル、エアホーン（空気警報器）、幅広のサイドミラー、衛生放送用アンテナ、ゲーム機、セントラルヒーティング、外部の荷物室、車体のオーダーメイド塗装など、追加可能なオプションも用意されている。

モビリティスクーターは、長距離移動には適さないと考えられているかもしれない。だが、このQTvanを牽引していけば、高齢者だって一人で旅ができる。ゆっくりとしたスピードで、時には歩行者と話しながら進んでいく。仲良くなったら、キャンピングトレーラーで、お茶をするのも良いかもしれない。今までのキャンピングトレ－ラーの常識を覆すQTvan。より身軽に、よりタイニーに。新しい小旅行の一つの選択肢として、いかがだろうか。

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