【タイニーハウスに行ってみた】オランダ初のタイニーハウス通りに建つ「Tiny Loft」
2017年6月、オランダの、とある街にタイニーハウスが建ち並ぶ「タイニーハウス通り」ができたと話題になりました。テレビや雑誌の取材が押し寄せた、そのストリートに建つタイニーハウスと、同じタイプのモデルハウスを、なんと筆者も見学する機会があったのです。その素晴らしく、機能的なタイニーハウスの様子をご紹介したいと思います。
オランダ初のタイニーハウス通りに建つ「Tiny Loft」
そのタイニーハウスを見る機会があったのは、タイニーハウス・デザインコンテスト入賞作の実物が展示された「BouwExpo Tiny Housing」。
参照記事:【タイニーハウスに行ってみた】コンテスト入選作が実現した「BouwExpo Tiny Housing」
コンテスト入賞作たちが実現した、タイニーハウスを見られたのも感激でしたが、筆者にとってラッキーだったのは、それ以外の、協賛企業のタイニーハウスも同時に見られたこと。
これが、その「Tiny Loft」です。タイニーハウスメーカーの「Mill Home」が手掛けているデザインです。実は2017年6月、この「Tiny Loft」が5軒建ち並ぶ、通称「タイニーハウス通り」がオランダに誕生し、国内で話題を呼んでいたのです。すでにその5軒には、一般の方々が入居して日常生活を営まれているのだとか。
筆者もぜひ見学に行きたかったのですが、そのストリートがあるHardegarijpは、筆者の住む街からかなり遠く、なかなか行くチャンスがつかめずにいました。それなのに向こうからこちらに、そのモデルハウスが来てくれるというのですから、こんなに嬉しいことはありません!
恐らく筆者と同じように、メディアで「Tiny Loft」を目にしていたであろう見学者で、モデルハウスの中は大賑わい!
全方位欠点無しのユーティリティ
人にあふれて、家の構造が分かりにくいので、透視図を見てみましょう。
屋外のテラスに続き、リビングスペースがあります。その奥にカウンター付きキッチン、ロフト、バスルームという構造になっているのです。
そして、人が少ない時はこんな雰囲気です。すっきりとしていて、シャープなタイニーハウスですね!
はしごで上るロフトスペースは、二人でも十分眠れるスペースが確保されています。
ロフトの下にもベンチ式ソファーべッドが。ただしこれはオプションなので、取り外すことができます。筆者がオランダのテレビ番組で見た「タイニーハウス通り」の入居者は、ここにデスクを置いていました。その方は一人暮らしなので、寝る場所はロフトの上だけで十分だったようです。
そして、そのソファーベッドの向かいには収納がありますが、この収納がすごいんです!
なんとスライドドアの内側に、横型ドラム式洗濯機の置き場が! この光景をみてふと思い返してみましたが、タイニーハウスで、洗濯機を見かけたのは初めてかもしれません。そして洗濯機の上には、洋服を収納できるスペースもありました。
洗濯機置き場の左側は、スライド式収納棚も隠されていました。画像が見切れていますが、このすぐ左側はキッチンなので、食材などを収納するのにうってつけです。ちなみに、キッチンはオーブンも付属した本格派です。
そして上の画像で、ひとが3名立っている場所がバスルームです。シャワーブースと洗面台付きのトイレが設置されています。
テレビ番組に出演した入居者が言うには、この家には床暖房も入れられるそうです。それに、必要な電気を賄えるのが、屋根一面に設置されたソーラーパネル。ちなみにキッチンもガスではなく、電気調理器が備え付けられています。
壁の窓にも、雨戸が備え付けられているのが見えますね。セキュリティーにも配慮されていて、ここまで全く欠点が見当たりません。やだ素敵。
タイニーハウスは現実の選択肢の1つに
「Tiny Loft」の室内は、奥行き8.1mで幅は2.8m。たしかにタイニーハウスなのですが、一般の「広い家」と比べても、生活の利便性に何ら劣るところが見当たりませんでした。気になるお値段は、オプションによって差があるものの、48,000~70,000ユーロ(2017年10月現在、約633万~924万円)なのだとか。現在、不動産バブル真っ最中のオランダでは、こんな値段で家を建てられるなんて、夢のようなお話です。
けれど「Tiny Loft」のしっかりと地に足の着いた設計を見ると、もはやタイニーハウスは、ただの夢ではなく「現実の選択肢」なのだということが分かります。近い将来、この「Tiny Loft」が立ち並ぶタイニーハウス通りが、オランダ中に広がっていくかもしれませんね。
Via:
millhome.nl
nu.nl