自然の中に出現する長い食卓。世界中を駆け巡るムービングレストラン

via: http://www.outstandinginthefield.com/

自然の中に出現した、長いテーブル。きちんとテーブルセッティングされ、周囲に広がる草原とはおよそ似つかわしくない光景だ。これは、単にフォトジェニックなディナーイベントではなく、食べ物について考えるイベントなのだ。主催者の”Outstanding in the Field”は、食材の生産場所で生産者と消費者を結びつけるイベントを世界各地で開催している。ユニークな彼らの活動を紹介しよう。

 

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Outstanding in the Fieldのミッションは、その土地の消費者と食べ物、そして地元の農家や生産者をつなぐことにあるという。また、Outstanding in the Fieldは料理を通して世界中を冒険している。彼らは自らを「壁のないレストラン」といい、1953年製のバスで旅をしながら、各地の生産者やシェフと協力しながら、地元の食材を使用したコースを準備している。

彼らの活動の始まりは1999年からだが、そのきっかけは、代表のJim Denevanがシェフとして働いていた頃に感じたことだという。Jimは以前カリフォルニアでシェフをしていたが、その時に「美味しい料理を作るには、生産者とシェフが密接な関係を作る必要がある。そしてそれは農家とシェフの関係だけでなく、消費者との関係を作ることも大切なことなのではないか」と思い、この活動を始めたそうだ。

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彼らは今まで農家や都市の庭園、山頂や海の洞窟、島や牧場でイベントを開催してきた。大抵は屋外にテーブルを設置するが、稀に改装された素敵な納屋や温室、博物館など、屋内で行うこともある。イベントは年間に100回程の開催が予定されていて、夏のツアーシーズンは5月から11月まで、ハワイやフロリダ、メキシコなどの暖かい天候の場所では、1月と2月に小規模の冬のツアーを行うこともある。

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各イベントの流れとしては、まずゲストが到着すると、レセプションエリアに通される。そこで前菜とカクテルやワインを楽しむ。その後、夕食前に農場、または漁場のガイドツアーが行われ、食材に対しての理解を深めることができる。ツアーは30分程の長さで、最後は長いテーブルに通される。そこからは、ゲストシェフによる、農場の食材を使用したコースの食事を楽しむ。長いテーブルには参加者120名が座るので、隣の人や前の人と話をして、新しい友人を見つけられるかもしれない。

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Outstanding in the Fieldは、2015年に日本でも開催していた。場所は富士山の麓にある「富士山ワイナリー」。アメリカ人のシェフと地元のシェフがコラボレーションし、蕎麦や地元の肉や野菜を使用した豪華なコースだったそうだ。

地元産の自家栽培食材を使っているレストランで食事をすれば、それだけで食材につながっているという気分にさせてくれる。しかし、もし食材の生産地で座って食事ができたらどう感じるだろうか。また、食材の生産者と話をできたらどう思うだろうか。Outstanding in the Fieldのイベントでは、生産者や料理人が食材に関するストーリーを話し、ゲストが質問や感想を伝えることで、生産者と消費者がつながりを作ることができる。消費者は地産地消の「地」を実感するだけでなく、食べ物への感謝、そしてより美味しく食べることができる。イベントのチケットはホームページから購入できる。価格は215ドルと決して安くはないが、「食」を豊かに感じることができるこのイベント、経験する価値は大いにあるのではないだろうか。

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