#42 掘った葛の根から葛根と葛粉をつくる |YADOKARI✕公社二宮団地
こんにちは、国際中医薬膳師の長岡桃白です。
今回は前回の記事の続き。団地の斜面で掘らせていただいた葛の根をはりきって加工しますよ。
葛の根のなかから、なるべくでんぷん質の多そうなものを選びました。一番大きいもので30センチくらいあります。
まずは、生薬として有名な「葛根(かっこん)」をつくります。生薬の加工の仕方についての教科書『中薬炮製学』によると「拣去杂质,洗净,润透,切厚片,晒干」とありますので、まずはきれいに洗って、表面の汚れや傷んでいる皮を取り除きます。
厚めに切って、水に晒します。葛根はでんぷんを多く含む色の白いものほど良品とされます。残念ながら、今回掘った葛はでんぷん少なめで繊維質が多いようですね。
で、干す。
簡単ですね。
次に、葛粉。吉野葛を自作する方法を紹介なさっているサイト(「Life in the wood」)がありましたので、そちらを参考にさせていただきます。葛粉づくりはちょっとたいへんそうな予感。。。
まずは先ほどと同じように葛の根を洗います。そして、木槌などで叩く。
繊維がほぐれるまで叩く。けっこう力仕事ですね。白く見える部分がでんぷん質でしょうか。
ほぐれたら、水の中で、繊維の間にあるでんぷん質を揉みだす。
揉みだしたら、水を濾して布袋で繊維をしぼる。
ええええ! こんな黒い水? だいじょぶかな……。
この黒い水を一晩寝かせて、翌日、底にある葛粉を流さないように水を静かに捨てます。攪拌して沈殿させて、水を取り替える。これを毎日、1週間ほど繰り返すようです。
2日目の様子。なにか沈殿してますねー。これが葛粉になるはず。
そして、1週間後の様子。
水はだいぶん透明になってきて、底に葛粉らしき白いものが見えますが、水を捨ててみると明らかに葛粉ではないものが……。
ちょ、ちょっと不安なので、もうしばらく水を取り替えて様子をみようかな……。(つづく)
(2018年1月4日記事公開)