Apple製品が似合うデザイン。イギリスのガーデンハウス「Lite Pod」
10年以上前にBen Lordは、母国イングランドのガーデンハウスを調査して、実にうんざりとした気分になった。型にはまったデザインと面白味のないインテリア。「もっとまともなデザインの選択肢が必要だ」と感じたBenは、「Pod Space」という会社を設立。2017年には、国際的なデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞するまでになった。
以前ご紹介したオーストラリアの「Inoutside」のアウトドア・スタジオも、充分ハイクオリティーなデザインだったが、イギリス Pod Spaceのデザインセンスは群を抜いたものだ。双方とも工場生産によるプレハブ方式で、ローコストのプロダクトを提供しているが、このヨークシャーのガーデンハウス製造会社は、さらにサステナビリティに力を注いでいるのが特徴だ。
建築デザイナーのBen Lordが2008年に設立したPod Spaceは、ガーデンハウスのラインナップを徐々に拡充。現在は、「Micro Pod」(2.5m x 2.0m) /「Micro Pod Max」(3.2m x 2.5m) /「Lite Pod」(4.5m x 3.82m) /「Glide Pod」(5.72m x 3.85m) /「Eco Pod」(7.92m x 3.95m) の5つのタイプを揃えている。すべてが効果的なデザイン開発により、持続可能な素材をスタイリッシュでモダンに融合させたプロダクトだ。
自然に近いパレットを使用することで環境にとけ込むような外観を実現し、メンテナンスをほとんど必要としない構造設計がなされている。マテリアルはオール天然素材で、持続可能な森林認証を受けた耐久性のある堅材や天然ゴムなどを使用。「通常のもっともモダンな住宅よりも、高いスペックとサステナビリティ基準の設計」だということ。
Lite Podは、奥行き3.82m・天井高2.5mで、幅が3.5m(13.4平方メートル)と幅4.5m(17.2平方メートル)の2つのタイプがある。3.5m幅が22,750英ポンド・約336万円(1英ポンド=147.7円)から、4.5m幅が25,650英ポンド・約379 万円から、という価格設定になっている。
Lite Podの特徴は、外観の最高級シベリアカラマツのストライプのデザインだろう。シャドーとプライバシーのための縦の目隠しラインが、極細フレームのアルミニウムのスライドドアとともに、周りを囲む複合材の黒色と鮮やかなコントラストで、モダンで洗練されたファサードを創り出している。
天窓から明るい陽光が室内に差し込み、断熱と遮音に効果的な北欧風デザインの二重ガラスの窓は、室内のエネルギー効率を高めている。キッチンや洗い場、グリーンルーフ、収納スペースなどのカスタマイズも可能。仕事やレジャーのさまざまな用途に柔軟に適合して環境にやさしいだけでなく、財政的にも持続可能なエコ・ハウスとなっている。
ポッドはモジュール式のプレハブで工場生産され、配管・暖房・電気システムは事前にインストールされて、注文後12週間以内にデリバリー、亜鉛メッキされたスチールのサブフレームの上に設置される。
こちらが、2017年のレッド・ドット・デザイン賞を受賞した「Glide Pod」。幅5.72m x 奥行き3.85m(21.7平方メートル)の広さで、価格は29,980英ポンド・約438万円〜。
受賞の理由は、「多用性とナチュラルさを魅力的に融合させ、高い美的水準を満たしている」とのこと。さしずめ、ガーデンハウスの iMac Proといったところだろうか。