自然と共に生き、土に還るサステナブルハウス「Hus-1」
厳格で美しい自然の中では、人工の建築物は異物であり、本来望ましくないものかもしれません。
いかに異物感をなくし、自然環境に溶け込ませるか? 単純な論理でつくられた四角い箱ではなく、樹々や植物のような複雑性を持った建築の姿とは?
設計者Tosten Ottesjöの探求心から生まれた「Hus-1」は、地面から生えてきたかのような、不思議な風貌の小さな家。自然との共生を目指すサステナブルハウスです。
外側に膨らむ曲面の壁を組み合わせ、さらに長手方向にカーブさせた形状は、自然の多様性や複雑性の表現そのもの。ひと目でこの家の全体像をつかむのは至難の技です。
軽くて丈夫な2方向に曲がる壁をつくる素材として、選ばれたのは木材。木材は安価で加工しやすいので、骨組みだけでなく断熱材や外装材にも使われています。時が経つにつれて風合いを増し、やがて土に還るという意味でも、サステナブルハウスにぴったりの素材です。
家の中には、玄関ホール、キッチン、ダイニングテーブル、寝室などのスペースがカーブに沿って収められ、わずか25㎡の空間全体を余すところなく使っています。
人間の身体にフィットするスケールで、肌触りのよい素材で丁寧に仕上げられているので、どこにでも座ったり横になったりしたくなりそうです。
小さな家はエネルギー効率もよく、移動も簡単。
移動した場所場所で少しの資源を調達して暮らせるので、渡り鳥のように季節ごとに移動しながら自然の豊かさを堪能できます。
人間性を捨てることなく大自然と共に生きる暮らし、この家なら実現できそうです。