豊かでスタイリッシュな暮らしをイメージしたくなるトレーラー「Tiny House Valhalla」
豊かでスタイリッシュな暮らしが想像できるトレーラー「Tiny House Valhalla」。
ヨーロッパを代表する国フランスの、Brittany(ブリタニー)にあるLe Pallet(ル・パレット)というコミューンで、このモバイルハウスは誕生した。
2016年にLaëtitia Dupé(レアティティア・ドゥープ)とVincent Bouhours(ヴィンセント・ブーウール)によって、設立されたばかりの建築スタジオBaluchon(ブルション)。今までに14個のユニークなスモールハウスを制作してきた。
今回「子供連れの3人家族に最適でシンプルに」という、クライアントの要望に応えて完成した「Tiny House Valhalla」が、この小さな建築スタジオが手がけた15個目となるスモールハウス。
デザインや色使いから、港に浮かぶ船を彷彿とさせるこのスモールハウス。丸窓もその雰囲気作りに一役買っている。
「Valhalla」は北欧神話オーディンの宮殿にちなんでいるが、その名に負けず劣らず、この小さなトレーラーの中には驚きやアイデアがたくさん詰まっている。
外装の壁の素材は主に西洋アカマツ。細長の木材を水平に並べている。
フィンランドのアマニを使い、白く塗られた真ん中の「T」の字に見えるデザインや、円や長方形の窓がシンメトリーに配置されているのが面白い。
水平型の屋根は5本の腕木で支えられ、青の金属シートを水平にして作っている。
木目を基調としたシンプルな室内は、入念に設計された配置で住みやすさを重視していることが見て取れる。
キッチンはシンク、コンロ、冷蔵庫、オーブンに温水用タンクまで、日常生活に必要なものはすべて揃っている。
トイレも木目を基調として、白木とオークのコントラストが美しく、清潔感のある空間になっている。
特に目を引くのが、空中に浮くようにみえる階段だろう。
側面の壁から板が垂直に伸びており、デザイン的にとてもかっこいい。この浮いたようにみえる階段を登れば、寝室となるロフトに辿り着くことができる。
ワークデスクとして使っている部分がそのまま階段の一部となるという、斬新で驚きのデザイン。このアイデアにより、スペースを最小限に抑えることができる。
広い家だと、朝起きてキッチンでコーヒーを入れるだけでも動線が面倒になるが、このモバイルハウスならば宙に浮く階段を数段下りるだけで、洗面所やキッチンはすぐそこである。寝起きが悪い人でもこれならば心配なしだ。
140平方フィートの面積と非常にコンパクトながら、実はロフトが2つもあるのだ。
一つはソファーを置いたリビングラウンジとなっていて、横長の窓から景色を楽しむこともでき、採光や風通しも抜群。
反対側にあるロフトは主寝室で、ダブルベッドを一つ置いてもまだ少し余るほどのスペースがあり、のんびりとくつろげそうだ。うっかり落ちないように、手すりもしっかりと取り付けてある。
ベッドのすぐ横の壁一面に横長の窓が取り付けられており、風通しも良く、寝ながら美しい風景が楽しめる。
「子供が大きかったらダブルベットのみで窮屈では?」と思われるかもしれないが、心配無用。キッチンの奥に隠れロフトがあり、そこにベッドを置くスペースが十分にある。使わない場合はカーテンで隠せば物置にもなり、多目的に使用できるゆとりのスペースと言える。
この間の「廊下」となるスペースにも洋服棚にもなる収納棚があり、シンプルなスモールハウスながら意外に収納スペースは豊富である。
決して大きな家でなくても、アイデア次第で快適な生活ができる。
まさに「人生を楽しむ」ためのモバイルハウスだ。
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