職人技とデジタル製作の融合。DIYで作られたマイクロオフィス「Lighthouse」
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小さな幾何学的なボックスから、夜に天井や窓から光が投射されています。「ライトハウス (Lighthouse:灯台)」と命名された“軽く・明るい”マイクロビルディングは、キャスターで敷地内を移動できるモバイルオフィスでもあります。いったい何のために作られたのでしょう。
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ロサンゼルス近郊のハイランドパークにある、デザイン&ビルドスタジオ Knowhow Shop。自前の木工ショップを中心に、伝統工芸の職人技とデジタルファブリケーションを組み合わせた現代建築を追求しています。DJと共演するDIYワークショップでは、独特のユーモアセンスを発揮するユニークなユニットとして人気。「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿のような、3種類のヒゲの人物からなるロゴからも、彼らのキャラクターがうかがえます。
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ライトハウスは、Knowhow Shopが2017年に自ら設計・施工した自分たちのオフィスで、ファブリケーション施設と駐車場のある裏庭に置かれています。基礎土台を排除して、ごみ収集コンテナ用に設計された工業用キャスターの上に乗っていて、木工ショップから大きな物資を配送したり、屋外スペースを空けておきたい場合には移動できる設計です。
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「ライトハウスとは、家具のように設計されたマイクロビルです。まったく新しい建築方法を一から模索するために、典型的な細部の造作や組み立て方をすべて破棄しました。こうしてプロジェクトは、自分たちのマテリアルの加工技術と空間認識をテストするものとなりました」とKnowhow Shop。
ライトハウスという名前は、建築物の“軽さ”と、大きなドアとウィンドウや天窓から差し込む“明るい光”を意味しています。3つの開口部がエクステリアを貫いて、夜には灯台のように輝く光を外部へと投影します。再生ベイマツ材でカスタムメイドされたフレームが、奇妙な構造を頑丈にサポートしています。
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直角のないドアや天窓は、車のサンルーフやウィンドウ、フロントドアからディテールを得て、伝統的なボート建造をヒントにして取り付けられています。ポンと置かれたエントランスの小さなステップが、キャスターで底上げされたフロアへのアクセスを提供します。無造作感がいい感じ。
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エクステリアはファイバーグラスパネルで覆われ、ヨットを保護するために使用される白のコーティングが施されています。
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木製パネルが内装の壁を覆い、ビルトインされた木造デスクが、オフィスの両側に長く走るシンプルで美しいインテリアです。高さと豊かな自然光を活かしたミニマルデザインが、14平方メートルのインテリアスペースを拡張して、実際よりも広々と感じられるようになっています。外部からと内部で知覚される空間の違いに、ほとんどの訪問者がすぐに驚くとのこと。
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不規則な形状のパネルで構成された白い壁を含め、すべての構造は環境への影響を最小限に抑えるために、現場で製作されて組み立てられました。壁の幾何学的なピースは、成型木質ボードの間に発泡断熱材を挟んだ構造用断熱パネル (SIP)から切り出されたもので、映画セットで使われる工法で固定されています。
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広い作業スペースの下には、収納キャビネットが隠されています。背後の壁の形状に沿うように天井に向かって狭くなる三角形の本棚も、ストレージとして利用できます。
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Knowhow Shopの製作所の壁にある工具の数々からは、彼らの確かなクラフツマンシップがうかがえます。
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「ライトハウスは、建設業者に委託して完成できるものではなかったので、通常の方法をバイパスして、設計と建造のもっとも実験的な可能性に賭けました。ライトハウスは私たちのビジネスのためのオフィスであり、技術のショーケースでもあります」とKnowhow Shop。
「将来のライトハウスが、小さな持続可能なビルディングを探している人たちの灯台となることを願っています」。
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職人技とデジタルファブリケーションの融合、そして現代建築の常識にとらわれない、Knowhow Shopの自由なスタイルはとてもクールに見えます。