青空の下で寝ることのできるタイニーハウス「la tête dans les étoiles」
スモールハウスやタイニーハウス、モバイルハウスのビルダーであるフランス人optinid (オプティニッド)によって建築されたこのモバイルハウスの名前は「la tête dans les étoiles」。
フランス人建築家なのでもちろんフランス語となるが、フランス語の読みは「ラ・テッテ・ダン・レ・エトワル」で、日本語に訳すと「頭の上には星たちが」となる。
高さは7.2メートルほどで、2階部分にある可愛い丸窓がなんともフランスっぽい。極めてシンプルな木造で、外装はトウヒ材(エゾマツ、ハリモミ)で張られている。
内装も外装と同じく、木材の感じが全面に出ており非常に過ごしやすそうだ。
この2階建てモバイルハウスは、1階部分はキッチンやリビング、ダイニングなど主に生活スペースとなっている。
シンプルで、ナチュラルテイストの室内は、明るく清潔感にあふれている。
パソコンで作業などをするための折りたたみ式の机は、狭いスペースを最大限活用するように工夫されている。ソファベッドでゆっくりと寝そべりながらくつろぐこともできる。
窓が多く取り付けてあり、天気の良い日は電気を使わなくても室内が十分明るく、暖かになる。
このモバイルハウスには太陽発電パネルが取り付けられており、電気も自給自足できるオフグリッドハウスである。さらに雨水収集タンクも取り付けてあり、フィルターを通せば飲み水ともなるため水も自給自足。
キッチンにはシンクやコンロにオーブン、冷蔵庫なども完備され快適である。
奥にはトイレ、洗面所、シャワーもあり、普通の家と変わらない暮らしができそうだ。
なんと言っても最大の特徴は、階段を上がった2階のロフトで、寝室となっている。
屋根はスライド式となっており、完全に開け放つと、青空が広がり他に何も視界を遮るものがない。
青空の下で昼寝ができ、さらに名前の「la tête dans les étoiles=頭の上には星たちが」の通り、夜は、降るような満天の星空を眺めながら寝ることができる。
モバイルハウスの周りに明かりはなく、真っ暗な大自然の中で見る星空は圧巻。星座を探したり、星を数えたり、流れ星を見たりしながら寝ることができる。カップルにとって、これほどロマンチックな空間は他のどこにもないだろう。もちろん、子供連れの家族でもみんなで楽しみながら眠りにつける。たとえ一人だったとしても、静かに、誰よりも贅沢な景色を独り占めできるのだ。
まさに、フランス流のロマンがこもった空間設計、といえるのではないだろうか。
もちろん、天気の悪い日は、このように屋根を閉めて寝る。丸窓からの景色や光も優しい。
今まで紹介したモバイルハウスの中でも、作りとしては非常にシンプルだが、屋根の部分が全開し、満天の星空の下で寝れるというアイデアは素晴らしい。
他のモバイルハウスでも「周りの自然の中でシートなどを敷いて寝れば良いのでは?」と思われるかもしれないが、「寝る=睡眠」は、健康な生活をする上にも大事なことで、ベッドは不可欠なのだ。
電気も水も自給自足できるオフグリットハウスで文化的な生活を送る一方で、大自然の中で「全開する屋根」がある寝室で寝転がり、満天の星空や、澄みきった青空を眺めることができるモバイルハウスは、非常に優れたアイデアと言える。
via: