シンプルだけど凝っているスイスのシャレー「1960s-era chalet」

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ここは永世中立国・スイス。アルプスの山々に囲まれ自然豊かなところで、「アルプスの少女ハイジ」を彷彿とさせる山小屋が点々とあるような非常に牧歌的な国だ。今回のスモールハウス「chalet(シャレー)」はフランス語の語源で「スイスの小屋」を指し、素朴な美しさが特徴。牧歌的なアルプスの中心にあり、四方見渡しても美しい山々が見渡せるjura (ジュラ)山に建っている。

 

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今回のシャレーは1960年代に建てられ、放置されていたものをリノベーションしたものだ。

スイスの建築会社であるfrundgallina architectes(フランドガリーナ・アーキテクツ)が建築したもので、今回のプロジェクトではなるべくその原型を残そうとした。
シャレーは昔ながらの木造建築で、自然な白さの出るモミの木の板材を使用して、周りのjuraの森から採取したものだ。モミの木はクリスマスツリーにも使われているが、日本では木材としてはなかなか見かけない。

屋根は一枚のステンレスの板を折り曲げてつけてある簡素なもの。

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外装、内装とも同じモミの木の板材を使っている。外装はザラザラとした質感を残し、内装はつるりとしていて眩しいほどの白さが出ている。

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外見はシンプルな木製の小屋に見えるが、シャレーの中は厳密に8平方メートルごと4つに区切られ、面白い構造をしている。それぞれの部屋がまるで「階段」のように高さが異なり、螺旋状の作りをしている。ランダムに高さを変えたというわけではなく、外からのアクセスのしやすさを考えてこのような作りとなり、なかか面白いデザインとなった。

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この小屋の一番低くなっている部分の扉をくぐり中に入ってみると、いきなりオープンスペースのシャワー室がある。上から円状に取り付けたカーテンを回すことによって、視線を遮るように設計してある。海外のシャワーは往々にして水圧が気になることが多いが、この高さならその心配もないだろう。

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そこから左手に少し段差を上がったところにはキッチン、ダイニングがあり、簡単な料理を作ったり食事をすることができる。

さらに上がった部屋はリビング、そして最後の屋根裏部屋のような場所は寝室となっている。

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外からこの小屋を見てみると、それぞれ壁に大小の五角形の窓が取り付けられているのがわかる。
さらに、このシャレーにはいわゆる「正面玄関」というものがなく、外からそれぞれ違う部屋へと入れるように高さの違う扉があり、窓と同じ形をしている点も面白い。

 

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外見は、非常にシンプルで綺麗なただのシャレーのように見えるが、内部を見てみると驚くほど創意工夫がなされている。
このような2面性の哲学は日本にも通じるところがあると言えるだろう。

もちろん見た目としてはずいぶん違うが、そのような点に注目してみるのも面白いと言えるだろう。

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