わずか5畳半の小宇宙 – 中銀カプセルタワー再生クラウドファンディング 締切11/30まで
タイニーハウスのムーブメントが起こる半世紀も前から大都会の真ん中で圧倒的な存在感を放つ、いわばレジェンド・オブ・タイニーハウスがあります。
それが「中銀カプセルタワービル」です。
メタボリズム建築の代表
ランダムな積み木のような立方体の居室が重なり、そのカプセル一つ一つに印象的な丸い窓。宇宙船のような、ドラム式洗濯機のような、なんともユーモラスな外観。この中銀カプセルタワービルは日本を代表する建築家・黒川紀章氏によって設計された集合住宅です。タワー全体で140コの「カプセル」が、建物全体を支える構造と設備や動線シャフトとなっている「タワー」にくっついています。
1972年、まだ卓上電卓が普及するかしないかの時代に、この斬新な思想の建築は生まれました。当時、メタボリズム(新陳代謝)と名付けられた建築運動・思想は、東洋からの前衛的な考え方として、海外で高く評価されました。今でもこの建物の前では、毎日たくさんの外国人旅行者がこのカプセルタワーを撮影している、大人気スポットになっています。都市が新陳代謝する。多様性のある暮らし、働き方、そして住まい方を、46年も前に提案し実現した名作建築です。
カプセルの中はどうなっている?
一つのカプセルは、幅2.5m×奥行き4.0m×高さ2.5m(約5.5畳)の大きさ。
この最小限とも言うべき居住空間には、もともと備え付けのベッドや家具、電話やテレビ、オープンリールデッキ、そしてユニットバストイレが、まさに宇宙船のようにデザインされていました。今でも十分に未来を感じさせるデザイン。二拠点居住とか、タイニーハウスとか、モバイルハウスとか、スケルトンインフィルとか。現代に生まれた新しい住まいや暮らし方を、すでに46年前にデザインした名作建築ですね。いや、まだまだ私たちは、中銀カプセルタワーに追いついていないかもしれません。
ビル存続の危機?!
水漏れなどの老朽化によりこれまで何度となく保存か解体かと議論が繰り返されてきた、中銀カプセルタワービル。築46年、一般的でないプラン、銀座8丁目という立地などから、解体→更地→売却という目論見が進むのも当然の流れなのでしょう。中銀カプセルタワービルは解体の危機に瀕していますが、保存再生を望まれている方も国内外に多数いらっしゃいます。
ウクライナから来た救世主、テンシャン
このカプセルを空き家再生クラウドファンディングサイト「ハロー!RENOVATION」の物件として掲載したところ、来日間もないウクライナ人の建築家、ヴォロディミール・デレズニチェンコ氏(愛称:テンシャン)がどうしてもこのプロジェクトを担当したいと手をあげてくださいました。現在、東京工業大学に留学をしていますが、留学の目的がカプセルタワーの研究というカプセルの申し子。テンシャンの故郷ウクライナやロシアでも、メタボリズム建築は存在しており、発祥の地でもあり提唱者の一人である黒川紀章の建築に魅せられているんです。そして、テンシャンはすでにカプセルに住んでいます。
彼は毎日のように自分のカプセルとこのプロジェクトのカプセルを往復して、デザインを検討しました。
これは住みたい!完成予定のカプセルデザイン
スケルトン部分をリノベーションした上で、インフィルには三つのコンセプトを立てています。
一つ目は、都市とのコミュニケーションとしての丸窓に、居場所をつくること。北鎌倉明月院の丸窓から発想を得ています。丸窓にソファーとなる家具をつくり、カプセルに包まれたような感覚で過ごすことのできるデザイン。
二つ目は、オリジナルデザインであった造り付け家具を、現代のデバイスに置き換えてコンパクトにすること。固定電話やラジオ、デッキ、エアコンなどが美しい家具の中に納まっていたが、現在はスマホひとつで対応できるようになっています。これによって省スペースとすることができるので、家具もコンパクトに設計していきます。
三つ目は、ウクライナのアイデンティティを表現すること。ヴィシバンカというウクライナの繊細な織物を壁の仕上げとします。
原設計で大切にされていた、快適な最小限の居場所というコンセプトは変わらないものの、時代や暮らしに応じたインフィルに入れ替えていく考え方です。将来、新しいカプセルを設計していく中では、インフィルの取り替えが容易かどうかは、ポイントになっていくことでしょう。
この物件にあなたも住めるかもしれない
リノベーションされたカプセルも、多くの方にカプセル体験をしていただく仕掛けとなることがコンセプト。これまでにない「マンスリーカプセル」として賃貸運用します。最短1ヶ月単位で借りることができるので、一回カプセルで暮らしてみたかった!方はもちろん、都心への長めの出張や、プロジェクトのアイデアを集中して考えるサードプレイス、執筆家の書斎、写真家のスタジオ、友人とのシェアスペース、そして長期間の旅行を楽しむ外国人のための拠点など、使い方は様々。丸窓を通してコミュニケーションする東京の風景と、10平米という茶室のような空間が、クリエイティブな発想と、新しい体験を生み出します。
家賃は9万円〜12万円程度を想定。これには光熱費を含み、一定の家具を準備する事業計画なので、トランク一つで暮らし始めることができます。「中銀カプセルタワービル保存再生プロジェクト」には、カプセルバンクというカプセルを買いたい、借りたい方などの登録者が、すでに約75名もいらっしゃるんです。人気がわかりますね。
クラウドファンディングで保存再生運動に参加可能!11月30日まで。
▼ 詳細はこちら(上部画像クリックでも飛べます)
https://hello-renovation.jp/renovations/1400#nakaginInfo
このマンスリーカプセルのアイデアは、空き家再生クラウドファンディングサイト「ハロー!RENOVATION」でクラウドファンディングプロジェクトとして公開されています。目標募集額は3,500,000円で、一口金額は5万円です。本ファンドにご出資いただいた皆さんには、定期的な事業の運営実績の情報開示をしていく計画です。これにより、稼働状況や、維持運営費用などの具体的な情報を得られるほか、利用者のニーズやプロモーション検証など、事業者と同じ視点で事業に参画いただくことができます。リターンは施設の稼働実績に応じて変動します。つまり、本ファンドにご出資いただいた皆さんが施設運営に関わり、利用者の皆さんと一緒に魅力的で持続可能なマンスリーカプセルを創っていくことができれば、リターンが増える(※)ことも考えられます。
一般的には、結果としての稼働実績に応じたリターンとなりますが、前述の通り、本ファンドについては、事業運営に参画いただくことができます。本事業をジブンゴト化していただくための、ひとつの仕掛けとして捉えてください。
※事業の状況により、償還される出資金は元本を割る可能性があります。
気になる人は、ぜひ一度空き家再生クラウドファンディングサイト「ハロー!RENOVATION」をのぞいてみてください。
https://hello-renovation.jp/renovations/1400#nakaginInfo
不動産特定共同事業者商号又は名称
株式会社エンジョイワークス
登録番号:神奈川県知事(1)第1号