遊びのように学べる。起業家マインドを育てる学校「WeGrow」

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企業の戦略には、「デザイン思考」や「アート思考」が重要だと指摘されている昨今ですが、果たしてクリエイティブなセンスって一朝一夕に習得できるものなんでしょうか?ニューヨークを本拠に、コワーキングスペースをグローバルに提供するWeWorkは、幼少時の教育のあり方に注目。起業家マインドを育てる新しいスクール「WeGrow」を、マンハッタン・チェルシー地区の本社近くにオープンさせました。

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WeGrowを設立したのは、急成長中のWeWorkの共同創業者レベッカ・ノイマン。現CEOアダム・ノイマンの妻で5人の子供の母親でもあるレベッカが、自身の子供のための学校をニューヨークや西海岸で探した経験がきっかけです。子供の創造性を摘み取ってしまうような現在の幼児教育のあり方を、根本から覆す必要があるとWeGrowのコンセプトを思いついたとのこと。

WeGrowのカリキュラムは、子供の自発性を最大限に尊重するモンテッソーリ教育をベースに、成長の6つの柱として、「マインド」「ボディ」「ソウル」「メンターシップ」「アート」「自然」を教育のコアに設定。共同作業、身体性、食への感謝、クリエイティブワーク、自然体験などを通じて、バランスの良い子供の学びと成長を目指しています。マインドフルネス、ヨガ、瞑想、農業、サステナビリティ、DIY、ポップアップショップなどの、時代に応じたトレンディーな学習要素も目を引きます。

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中でも、週に一度の100エーカーの自然保護区と農場への旅行と、WeWorkのクリエイティブメンバーによるプロフェッショナルなトレーニングがWeGrowの最大の特徴。子供たちがWeGrowファームで収穫した農作物を、WeWorkの中に設置したDIYで作ったポップアップスタンドで自ら販売します。

「農場から食卓」と小売ビジネスを身体を使って実体験することで、教科書や机の上では不可能な様々な学びと気付きが得られるというわけです。デザインが好きな8歳の女の子が、WeWorkメンバーのデザイナーのトレーニングを受けてTシャツをデザイン、WeGrowファームスタンドで販売した例もあるそうです。

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チェルシーのWeGrowスクールの空間設計を担当したのは、コペンハーゲンに本社を持つ建築事務所ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)。デンマークのビルンに2017年にオープンした、LEGOハウスの遊び心あふれる建築でも有名です。WeGrowの930平方メートルのスペースは、伝統的な学校環境でよく見られる区画化を排除。透明性を高くしたランドスケープは、半分以上の面積を占める共有スペースでの共同作業を促します。空間をなるべく触れられるようにし、視覚的にも刺激して、子供たちがインタラクティブな環境に自由に参加できるように導いています。

室内には、4つのモジュール式の教室とワークショップ、コミュニティスペース、多目的スタジオ、アートスタジオ、ミュージックルームがあり、子供たちは遊ぶように創造と共生の感覚を育むことができます。

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様々な機能を備えたスペースからなるフィールドは、子供たちが1日を通して自由に移動し、周囲の環境や他者から学ぶことを可能にします。

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空間デザインは、子供目線の宇宙の構築から始まりました。スクール内のほとんどのパーテーションは、子供の背丈ほどの低い棚で構成されており、教師はフロア全体を見渡すことができ、 自然光が建物の奥深くまで届くようになっています。

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天井のフェルトで造られた「アコースティック・クラウド」は、自然の中の珊瑚やランドスケープ、月などの様々なパターンを反映したもので、時刻に基づいて色と明るさが変化するLEDバルブで照らされています。天然素材のインテリアとニュートラルな配色によって、子供が学習に集中できる穏やかな環境を創り出しています。

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スイス製のタイルで造られた垂直ガーデンには、陰影に応じて異なる植物が配置され栽培されています。 WeGrowの各学習ステーションには、教育環境を最適化するためにBIGが設計したカスタムメイドの家具を設置。パズルテーブルとチェアは親子の視界が同等となるように、子供用と親用の2つのサイズが用意されています。

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集中的な学習のための静かに孤立できる楕円形オブジェクトも用意され、一人で読書や学習に没入することも可能です。

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ロビーから教室まで室内全体は、BIGで開発されたフレキシブル照明システムによって、自然光に近い快適な環境照明で明かりが満たされています。壁に滑らかに切り抜かれたフェルト張りのロビーは、教師と両親、子供たちと共有され、仕事場、ミーティングポイント、待合室として機能します。 手前にあるフェルトのラウンジでは、子供たちがソフトなフェルトのピースを並び替えるパズルデザインができる仕組みになっています。

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WeGrowは、3歳から9歳までの子供たちを対象に2019年の秋に正式開校の予定です。将来的には世界中のWeWorkに併設する形でグローバルに展開していく計画とのこと。WeWorkのメンバーが子供と一緒に旅行したり、託児所的に利用することで働き方支援にもなるというわけです。子供たちは早い時期から異文化と接触できるので、グローバル人材に育つ可能性も高くなることでしょう。

WeGrowは、将来的にNPOに移行する可能性を否定していないので、選ばれた起業家の子供たち以外にも広くドアをオープンにしてもらいたいと期待します。

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