空っぽの商業スペースをシェアスペース付ミニマル住居に。モジュラーハウスシステム「Vivahouse」

via: static.dezeen.com

昨年、画期的な試みがロンドン・ベイズウォーター地区で行われました。Design Haus Liberty社が組み立て式プレハブの家、Vivahouseを「未来の都市の家」として、短期ポップアップで公開したのです。彼らはこのVivahouseのお披露目の場所として、今は使われていないWhiteleysショッピングセンターを利用しましたが、それは何故でしょう。

実は、現在ロンドンの目抜き通りには破産申請中の小規模店舗がおよそ100軒あります。彼らの生み出したブランド“Vivahouse”は、こういった使われていない小規模店舗や商業施設を利用して、本当に必要とされている住居を創り出すことを目的としているからです。もちろん空っぽのおもてなし施設やオフィススペースも使って行く予定です。

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このブランドのコンセプトは、WeWorkの初期の従業員であったRajdeep Gahirと、Design Haus Libertyの創業者でもありDezeen Awardsの審査員でもある、Dara Huangの独創的な考えに基づいています。

まず、まったく同じ設備の小さなプライベートルーム、そして共有して使う施設を、現存する建物の中で24時間以内で建ててしまいます。このプレハブシステムは従来の建築方法より、費用も時間も70%削減できるそうです。

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その設計は若いフリーランサーや個人事業主を想定しており、それぞれのVivahouseの滞在期間は、1週間から1年までと場所によって異なる期間が設定されています。賃料も場所によりますが、長期滞在は月600ポンドから、短期滞在は1泊あたり50ポンドから設定されています。他の施設と比較して都心の中短期滞在としては50%も割安とのこと。賃料には電気代等はもちろん、税金や共有部の清掃代も含まれています。ハイスペックなバスルームはトイレ、電気設備も完備。日常生活に不可欠な歯磨きから紅茶、コーヒーまで設置されています。

「Vivahouseは、主要な都市において真の住宅を提供できる製品でありオペレーショナルビジネスだ」と、共同創業者のGahirは語っています。

「私たちは土地が少なく、家が不足しているイギリスに、短い納期での建設モデルという解決法を産み出しました。そして、この設備は現在イギリス国内の42%を占める、いわゆるノマド大陸で生活しているフリーランサーたちが、孤独に打ち勝つコミュニティを作ることもできます。また、私たちのVivahouseは、収入の2/3を家賃に費やしているミレニアルズに、誇りをもって家と呼べるスペースを提供することにもなります。このスペースで新しい人たちに会うことも出来ますし、フレキシブルな期間で滞在することも出来るのです。私たちは、この事業参入により、すべての賃貸ゲームを変化させはじめているのです」。

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このプレハブ工法のイギリスの家は、住居建物の規制をすべて満たしている上に、ダブルベッド、倉庫、机、オーダメイドの照明もあります。

「これらの空間は短期賃貸者のための設備だけではなく、滞在者間の交流を促進する空間でもあるのです」と、Vivahouseの共同創業者でもあり、クリエイティブ・リードでもあるHuangは語ります。

「Vivahouseでは、ヨガやマインドフルネスのセッションも瞑想用に作られたスペースで運営しています。また、ブロックくずしゲームなどもできるスペース、リビングスペース、食事スペース、そしてワークスペースもプライベートルームの他に設置しました。この試みは、Generation moveたちに、孤独に暮らすのではなく、大都市にいる彼らにふさわしい“我が家”を提供するものなのです。また、私たちは、Vivahouseを快適で成熟したライフスタイルを促進できるように設計しました。小さな空間での暮らしは、学生のみを対象にしているという烙印を消したいからです。この家はどんなに小さな場所でも、デザイン次第で快適な空間になるということを宣伝する機会になるでしょう」。

ちなみに、Warrior Capital社とMeyer Bergman社の協力があり、Vivahouseは1ヶ月間もロンドン・ベイズウォータ地区のWhiteleysショッピングセンターに展示されていました。また、昨年年初には、ロンドンのディペロッパーCube Haus社が受賞歴のある建築家たちに、現在の住宅市場の課題を食い止め、住宅難を解決するために、都市において手に入れやすいモジュラーハウスをデザインするようにと委託しました。ますます、ロンドンから目が離せませんね。

思い切ってロンドンへ行って、このVivahouseのような宿泊施設を体験してみるのはいかがでしょう?生き方、暮らし方、働き方、なにかを変えるきっかけになるかもしれませんね。

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